パイオニア交響楽団第30回定期演奏会
1月8日(祝) 午後2:00開演
新宿文化センター 大ホール
ピアノ 黒岩悠 指揮 黒岩英臣
レハール 喜歌劇「メリー・ウィドウ」より ワルツ「舞踏会の妖精たち」
シューマン ピアノ協奏曲
ラフマニノフ 交響曲第2番
ラフマニノフの交響曲第2番は1時間弱という長大な曲です。チャイコフスキーの系統を引く音楽であるという事は間違いありませんが、ユニゾンによるメロディの厚みを特徴とするチャイコフスキーと違って、メロディの裏では、様々な楽器が色々な事をやらされるので、合奏が非常に難しい曲です。特に弦楽器の内声(2nd violinとviola)の動きに気をつけて聞いてみると、その真価というか工夫というか、ちょっとゴチャゴチャしすぎというか・・・面白さがわかると思います。
第1楽章は、チェロとコントラバスによる全曲を通して使われるモットーから始まります。そして大きなうねりの繰り返しとなる長い序奏部があります。ここでは弦楽器と木管楽器が少しずつずれながら動機を演奏して序奏内でのクライマックスを作っていきます。
第1主題は木管の導入の後にヴァイオリンで演奏されますが非常に短い主題です。しかも主題の途中に2回もリタルダンドがあるという変わった主題提示です。目立たないですが、この提示部の間35小節の間ずっとヴィオラが刻みを弾いているのですが(コントラバスは変拍子的なピチカートで体力的には楽です)ホントご苦労さまです。それが終わると直ぐに、テンポを上げていきなり低音楽器から今までと全く無関係な三連符をともなうフレーズが静けさを破ります。その後はこの三連符を重要なファクターとして動きのあるパートを過ぎて、第1楽章の最も美しいメロディが出てクライマックスを形成して主題部を終わります。
展開部はヴァイオリンのソロのモットー動機の変形メロディが出て、クラリネットへと受け継がれていきます。クライマックスを形成して再現部に入り第1主題、第2主題、序奏でのヴァイオリンの動機が展開され、コーダは第1主題の断片によって暗い短調のまま閉じられます。
第2楽章はスケルツォ楽章でA-B-A-C-A-B-A-codaという構成になっています。
Aの部分はグレゴリオ聖歌の「怒りの日」に由来する主題をホルンが奏でるリズミカルな部分になります。
クラリネットのソロからテンポを落としBの部分に入ります。ここは一転してメロディックな部分になります。
Aの部分に戻った後は、スケルツォの終止があり、Cの中間部に入ります。ここでは全く曲調が変わり落ち着きの無い音楽に入ります。多分この部分がこの曲できちんと聞かせるのが一番難しい部分でしょう。
行進曲風になって、またスケルツォに戻ります。コーダでは金管のコラール風の旋律が表れて静かに楽章を閉じます。
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