パイオニア交響楽団第30回定期演奏会のご案内・2
パイオニア交響楽団第30回定期演奏会
1月8日(祝) 午後2:00開演
新宿文化センター 大ホール
ピアノ 黒岩悠 指揮 黒岩英臣
演奏会2曲目の演目はシューマンのピアノ協奏曲です。
シューマンは、ピアニストを目指していましたが練習のし過ぎで指を痛め、ピアニストの道を断念。その後作曲家や評論家として活躍しました。
シューマンはある一定の年に、同じジャンルの曲を集中的に作曲すると言う性癖を持っていました。後年精神を病んでしまったわけですが、こういう偏執っぽい性格はその予兆だったのかもしれません。
1840年は「リーダークライス」「ミルテの花」「女の愛と生涯」「詩人の恋」というシューマンの代表的な歌曲の殆どを作曲し、歌曲の年と言われています。また、1842年は室内楽の年と言われ、3曲の弦楽四重奏曲、ピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲が作曲されました。その間の1841年は管弦楽の年と言われ、交響曲第1番、第4番と序曲、スケルツォとフィナーレ、ピアノと管弦楽のための幻想曲などを作曲しています。このピアノと管弦楽のための幻想曲に手を加え、第2、第3楽章を付け加えて1845年に完成させたのが、ピアノ協奏曲です。
ドイツ・ロマン派の時代は、サラサーテやヨアヒム、アウアーといったヴァイオリンのヴィルトーゾがいて彼らのためにという事でヴァイオリン協奏曲の名曲が多く誕生しています。メンデルスゾーン、ブラームス、ブルッフなどの名曲があります。ところがピアノ協奏曲の方はというと、古典派のベートーヴェン以降ドイツ系の名曲が殆どありません。ドイツの周辺国ではリスト、ショパンといった名ピアニストはいますが、彼ら自身作曲家としても有名なため単なるヴィルトーゾとは違う存在です。
という事で、このシューマンのピアノ協奏曲はドイツ・ロマン派を代表するピアノ協奏曲になります。
元々、第1楽章は幻想曲として作曲されたため、通常のピアノ協奏曲と構成は異なっています。
第1楽章は短い序奏があります。イ短調の曲にもかかわらず、最初に強奏される音は属音のミの音。それに続いてピアノがソロで短い序奏を奏で、オーボエによって第1主題が演奏されます。
展開部は自由な形式になっていて、再現部のカデンツァもシューマン自身が作曲しています。コーダは冒頭の第1主題の動機ドーシラが表れて、イ短調の和音で閉じます。
第2楽章は間奏曲と題された静かな曲でクライマックスらしきものはなく、第1楽章の動機が短調から長調に変化して第3楽章に休み無く入っていきます。
第3楽章はリズムが主体の華やかな楽章。シューマンらしく凝ったつくりになっているので、ピアノとオーケストラの掛け合いがとっても難しい楽章です。
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