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2015年12月31日 (木)

今日の音楽 12月31日 羊たちの沈黙 ; Music for today Dec.31 The Silence of the Lambs

俳優アンソニー・ホプキンスは1937年12月31日にウェールズで生まれました。

舞台俳優としてキャリアを積んで1968年の映画「冬のライオン」のリチャード役で英国アカデミー賞にノミネートされた後は、「八点鐘がなるとき」では主演を演じ、その後も実力派俳優として数多くの作品に出演しています。

「エレファント・マン」のトリーブス役など、心に残る役どころは多いですが、何と言っても、「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター役ほど、凄みがあり謎めいた演技は無かったでしょう。クラリス役のジョディ・フォスターとのW主役でしたが、完全にアンソニー・ホプキンスが単独の主役という感じでした。アカデミー主演男優賞を受賞し、続編「ハンニバル」でもレクター役を演じていました。

音楽は、後に「ロード・オヴ・ザ・リング」シリーズの音楽を担当したハワード・ショアです。

2015年12月30日 (水)

今日の音楽 12月30日 マイ・ファニー・ヴァレンタイン ; Music for today Dec.30 My Funny Valentine

作曲家リチャード・ロジャーズは1979年12月30日に亡くなりました。

リチャード・ロジャースズといえば、オスカー・ハマースタイン二世とのコンビで、サウンド・オヴ・ミュージックなど多くのミュージカルの作曲者として知られています。アメリカの劇場作品を対象とするトニー賞は34も受賞し、その他にもグラミー賞、アカデミー賞、エミー賞、ピューリッツァ賞などアメリカのメジャーなアワードを全て受賞しています。

マイ・ファニー・ヴァレンタインは、ミュージカル「ベイブス・アンド・アームズ」の曲ですが、ジャズのスタンダードナンバーとして広く知られています。フランク・シナトラ、エレ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、チェット・ベイカーなど多くの歌手にカバーされています。

2015年12月29日 (火)

今日の音楽 12月29日 交響詩「フン族の戦い」 ; Music for today Dec.29 Hunnenschalacht

リストの交響詩第11番「フン族の戦い」S.105は1857年12月29日にヴァイマルの宮廷劇場で初演されました。

リストの交響詩といえば第3番の「レ・プレリュード」があまりにも有名ですが、この「フン族の戦い」はそれに次ぐ人気の曲でしょう。リストが、ヴィトゲンシュタイン伯爵夫人から贈られたカウルバッハの壁画「フン族の戦い」の複製に感銘を受けて作曲したものです。壁画は、451年のアッティラ率いるフン族と西ローマ帝国ひきいるヨーロッパ諸国の戦い「カタラヌウムの戦い」を描いたもの。フン族=異教徒、西ローマ帝国=キリスト教徒という観点で描かれて、キリスト教徒の象徴を古いコラールで表現し、その勢力が次第に強くなっていくように作曲されています。

2015年12月28日 (月)

今日の音楽 12月28日 アンダンテ・フェスティヴォ ; Music for today Dec.28 Andante Festivo

シベリウスのアンダンテ・フェスティヴォは1922年12月28日に初演されました。

祝祭的なアンダンテという題名のこの曲は当初は弦楽四重奏のために作曲されました。ある企業からその企業の25周年記念祝賀会のために依頼され、初演はその祝賀会当日にあたります。

1930年に任意のティンパニを加えた弦楽合奏版を出版し、現在はほとんどが弦楽合奏で演奏されます。祝祭的と言っても華やかなお祝いの音楽ではなく、寧ろ敬虔な宗教音楽的な曲です。最後はアーメン終止が使われています。

弦楽合奏の傑作のひとつで、曲自体が5分程度のためにアンコールピースとしても使われます。
ロマン派以降の弦楽合奏では、チャイコフスキーやドヴォルザークの弦楽セレナーデが有名ですが、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」、グリーグの「過ぎし春」、マーラーの交響曲第5番第4楽章など華やかではないものの、こういう音楽こそ弦楽器の集合による雑味のないアンサンブルが楽しめます。

2015年12月27日 (日)

今日の音楽 12月27日 イスパハーンの薔薇 ; Music for today Dec.27 Les Roses d'Ispahan

フォーレの歌曲「イスパハーンの薔薇」op.39-4は1884年12月27日に初演されました。

歌曲集「4つの歌」の4曲目で、フランスの高踏派の詩人ルコン・ド・リールの「夷狄詩集」の中の詩によるものです。イスパハーンは現イランの都市で、16世紀末にサファヴィー朝の首都として東西交易の一大拠点として繁栄し、「イスパハーンは世界の半分」と言われる程栄えた都でした。

「イスパハーンの薔薇」は、19世紀前半にイスパハーンで生まれた明るいピンク色のバラの品種です。フォーレらしい淡々とした抑制の効いた音楽の中に斬新さを取り入れた代表的な歌曲のひとつです。

2015年12月26日 (土)

今日の音楽 12月26日 月と月 ; Music for today Dec.26 Tsuki to Tsuki

歌手の城南海(きずき みなみ)は1989年12月26日に鹿児島県奄美市で生まれました。

元ちとせ同様、奄美の島歌をルーツに持った独特の節まわしと透明な声の実力派歌手です。テレビのカラオケ番組で8回の優勝、100点満点を出すなど輝かしい経歴を持ち、ものまね番組でも優勝するなど、とにかく歌が巧い(技巧だけではなくて、あらゆる側面で)です。

今は、テレビ東京系の「水曜ミステリー9」のエンディング曲として、「月と月」が使われています。

2015年12月25日 (金)

今日の音楽 12月25日 Have Yourself a Merry Little Christmas

今日はクリスマス、という事でクリスマス・ソングを。

Have Yourself a Merry Little Christmasです。
ヒュー・マーティンとラルフ・ブレインによってジュディ・ガーランド主演のミュージカル映画「若草の頃」(原題 Meet me in St.Lous)のために作られた曲で、クリスマス・ソングの定番として知られている曲です。多くの歌手によってカバーされています。フランク・シナトラが改変してカバーしたものが最も有名ですが、今回はカーペンターズのバージョンです。日本では山下達郎などがカバーしています。

2015年12月24日 (木)

今日の音楽 12月24日 サイレント・イヴ ; Music for today Dec.24 Silent Eve

今日はクリスマス・イヴ。

そこでイヴの歌をひとつ。辛島美登里の「サイレント・イヴ」です。

辛島美登里は、鹿児島で生まれ奈良女子大学在学中にポプコンに出場しグランプリを獲得してデビューしました。卒業後、作詞作曲を学び1987年に本格的なデビューを果たしました。1990年年末に発売したテレビドラマ「クリスマス・イヴ」の主題歌「サイレント・イヴ」がオリコンの1位となる大ヒットを記録して多くの人に知られるミュージシャンとなりました。その後歌手としての活動w続けると共に永井真理子など多くのミュージシャンに楽曲提供をしています。

「サイレント・イヴ」はメロディの美しさもさることながら、辛島らしい歌詞の美しさが発揮されている曲です。

2015年12月23日 (水)

今日の音楽 12月23日 24の前奏曲とフーガ ; Music for today Dec.23 24 preludes and fugues

ショスタコーヴィチの24の前奏曲とフーガop.87は1952年12月23日と28日にニコラーエワのピアノ演奏で初演されました。

20世紀を代表するピアノ曲として知られる曲ですが、全24曲を通すと3時間にも及ぶ大作です。従って初演も2日間。勿論お手本はバッハです。バッハの平均律クラヴィーア曲集に倣って、全ての調性の前奏曲とフーガを作曲しています。

バッハから200年を経て、作曲されたこの作品は、2世紀の隔たりを感じると共に音楽の普遍性を感じる事のできる貴重な曲です。

2015年12月22日 (火)

今日の音楽 12月22日 交響曲第8番(グラズノフ) ; Music for today Dec.22 Symphony No.8(Glaznov)

グラズノフの交響曲第8番変ホ長調op.83は1906年12月22日に初演されました。

グラズノフは、日本では評価低いですねぇ。というか、殆ど知られていない。音楽的には、チャイコフスキーやニコライ・ルービンシュタインらの系譜であるモスクワ楽派と、ロシア五人組を代表とするペテルブルク楽派の音楽を融合させた重要な音楽家なのですが、それが中途半端と見られる為か、また、時代的に古臭い音楽と見られていたためか・・・日本では、音楽教育に登場しない作曲家は有名にならない、という程クラシックの音楽は生活に根付いていない事もあるでしょう。

例えば、フランス音楽ではドビュッシー、ラヴェル、サン=サーンスは知られていても、フランス音楽の重鎮であるフランクやデュカス、フォーレは一般的ではないわけで。

グラズノフは8つの交響曲を作曲しています。9番に着手しましたが、未完成に終わりました。
第8番の交響曲は最後の交響曲といってもまだ40歳になったばかりの曲です。多くの作曲家の最後の方の交響曲は、人生を達観してみたり、死を予感してみたりという内容が多いのですが、この曲はそういう内容は全くありません。

美しいメロディが得意なグラズノフの特徴が発揮されている曲だと思います。

2015年12月21日 (月)

今日の音楽 12月21日 弦楽四重奏曲第2番(シェーンベルク) ; Music for today Dec.21 String Quartet No.2(Schoenberg)

シェーンベルクの弦楽四重奏曲第2番嬰へ短調op.10はロゼー弦楽四重奏団、グートハイル=ショーダーのソプラノで初演されました。

この曲は後期ロマン派の音楽から無調音楽への過渡期にあたる時期に作曲されていて、終楽章は完全な無調音楽になっています。また、第3楽章と終楽章にはソプラノの独唱が加わっています。両楽章ともシュテファン・ゲオルゲの詩によるものです。後に、シェーンベルクはこの曲を弦楽合奏版に編曲しています。

2015年12月20日 (日)

今日の音楽 12月20日 交響曲第2番(ミヨー) ; Music for today Dec.20 Symphony No.2(Milhaud)

ミヨーの交響曲第2番op.247は1946年12月20日にミヨー指揮ボストン交響楽団の演奏で初演されました。

お洒落で小粋な作品が多いミヨーですが、この交響曲第2番は「死」を巡る交響曲と言われていて深い悲しみが表現されています。それというのも、この曲がクーセヴィツキーの亡妻ナタリーの記念のためにクーセヴィツキー財団から委嘱されたものだからです。

5楽章からなる曲で、第1楽章から穏やかに、神秘的に、悲痛に、泰然と、と来て終楽章のアレルヤで魂の浄化が高らかに歌われるという構成になっています。

2015年12月19日 (土)

今日の音楽 12月19日 007は二度死ぬ ; Music for today Dec.19 You Only Live Twice

映画俳優のデスモンド・リュエリンは1999年12月19日に交通事故で亡くなりました。

リュエリンは007シリーズの名脇役「Q」役で「ロシアより愛をこめて」から「ワールド・イズ・ノット・イナフ」まで17作に出演したことで知られる俳優です。「ワールド・イズ・ノット・イナフ」公開の直後に交通事故で亡くなっているため、007こそが彼の生涯だったようです。

007シリーズの主題歌は名曲が多くありますが、007は二度死ぬはナンシー・シナトラが歌ってヒットしています。

2015年12月18日 (金)

今日の音楽 12月18日 ジョーズ ; Music for today Dec.18 Jaws

映画監督スティーヴン・スピルバーグは1946年12月18日にシンシナティで生まれました。

現代の映画界に与えたスピルバーグの影響は測り知れないものがあります。
1972年にテレビ用に撮った「激突!」が話題になり、日本でも劇場公開されるなど評判になったスピルバーグは、1975年に監督した「ジョーズ」が「ゴッド・ファーザー」を抜いて歴代第1位の興行収入を獲得し、その後は「未知との遭遇」「レイダース」などのインディ・ジョーンズ・シリーズ、E.T.、ジュラシック・パークなど話題性の高い映画を作り続けています。

「ジョーズ」は、巨大ホオジロザメと人間の戦いを描いた作品で、ホオジロザメの背びれが海面に現れる場面は、多くの作品によってパロディ化されたりしています。音楽は、ジョン・ウィリアムズで、アカデミー作曲賞を獲得しています。ジョーズのテーマはコントラバスの歯切れの良い演奏が不気味さを呼びます。

2015年12月17日 (木)

今日の音楽 12月17日 ピアノ協奏曲第2番(ウェーバー) ; Music for today Dec.17 Piano concerto No.2(Weber)

ウェーバーのピアノ協奏曲第2番変ホ長調op.32は1812年12月17日に初演されました。

ウェーバーの協奏曲といえば、2曲のクラリネット協奏曲と小協奏曲が非常に有名ですが、ピアノ協奏曲も2曲作曲しています。

この2番の協奏曲を聞くと、最後の古典派のピアノ協奏曲という感じがします。一応、古典派からロマン派への架け橋的存在のウェーバーですが、この曲はベートーヴェンの「皇帝」を意識した事もあり、古典的な雰囲気いっぱいの曲です。

2015年12月16日 (水)

今日の音楽 12月16日 弦楽四重奏曲第3番(ショスタコーヴィチ) ; Music for today Dec.16 Strring Quartet No.3(Shostakovich)

ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第3番ヘ長調op.73は1946年12月16日にモスクワでベートーヴェン四重奏団の演奏で初演されました。

ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は全体的に重くて暗い曲が多いですが、この第3番は、5楽章のうち最後の4・5楽章がテンポの遅い楽章である事もあって、とても重苦しい曲です。第1楽章は、おどけた様な音楽ですが、後半の印象が強いですね。交響曲第8番との関連性も指摘されています。

2015年12月15日 (火)

今日の音楽 12月15日 室内交響曲第2番 ; Music for today Chamber symphony No.2

シェーンベルクの室内交響曲第2番変ホ長調op.38は1940年12月15日にニューヨークで初演されました。

室内交響曲第1番は調性を持つシェーンベルク初期の作品ですが、この第2番は作曲の着手こそ第1番完成の直後でしたが、完成したのは34年後で、シェーンベルクの作風は無調音楽から十二音技法を経て、アメリカ移住後は調性音楽も再び作曲するようになっていました。

この曲は、そういう経緯を経て作曲された2管編成の曲です。調性音楽といっても、初期の浄められた夜のような美しい響きの曲ではなく、長い年月と経験が感じさせられる曲です。

2015年12月14日 (月)

今日の音楽 12月14日 レクィエム(モーツァルト) ; Music for today Dec.14 Requiem(Mozart)

モーツァルトの「レクィエム」は1793年12月14日にヴァルゼック伯爵の作品としてウィーンのノイクロスター教会で初演されました。

映画「アマデウス」では謎の人物(実はサリエリ)の依頼によって作曲を始めたと言われるレクィエムですが、実はヴァルゼック伯爵という音楽好きの貴族が自分の作品として発表しようとして、モーツァルトに依頼したという事がわかっています。

モーツァルトの死によって未完で終わったこの作品は弟子のジュスマイヤーが、モーツァルトのスケッチなどを基に完成させたものを筆頭に多くの研究家や指揮者によって完成版が作られました。現在でも賛否両論ありますが、このジュスマイヤー版が最も多い演奏されています。

作品は、イントロイトゥス(入祭唱)の2曲レクィエム・エテルナム(永遠の安息を)、キリエ(憐みの讃歌)から始まります。
セクエンツィア(続唱)では、有名なディス・エーレ(怒りの日)、トゥーバ・ミルム(奇しきラッパの響き)、レックス・トレメンデ(恐るべき御稜威の王)、リコルダーレ(思い出したまえ)、コンフターティス(呪われ退けられし者達が)、ラクリモーサ(涙の日)が続きます。
続いてオッフェトリウム(奉献文)のドミネ・イエス(主イエス)、オスティアス(賛美の生け贄)
サンクトゥス(聖なるかな)のサンクトゥスとベネディクトゥス(祝福されたもの)
アニュス・デイ(神の子羊)
コムニオ(聖体拝領唱)のルックス・エテルナ(永遠の光)で締めくくられます。

ラクリモーサの8小節がモーツァルトの絶筆と言われていますが、その前の部分でもオーケストレーションがされていなかったり、曲順通りに作曲されていなかったのでその後の部分が殆ど完成されていたりなので、はっきりとどこまでが真のモーツァルトの作品なのかは判断がつきにくいというのが真実でしょう。

怒りの日やラクリモーサの人気が高いですが、個人的にはコンフターティスの激しい音楽と、囁くような女声合唱の対比が最も美しくドラマティックだと思います。

2015年12月13日 (日)

今日の音楽 12月13日 交響曲第1番(バーバー) ; Music for today Dec.13 Symphony No.1(Barber)

バーバーの交響曲第1番(単一楽章の交響曲)op.9は、モリナーリ指揮アウグスティオ・フィルハーモニーの演奏で初演されました。

バーバーの初期作品であり、しっかりとした調性を持つロマン派的な曲です。単一楽章ですが、古典的な4つの楽章を簡潔に統合したもので、シベリウスの交響曲第7番に影響を受けたとも言われていますがシベリウスよりも明確な楽章転換になっており、寧ろサン=サーンスの交響曲第3番やシューマンの交響曲第4番に近いものと言えるでしょう。

第1部がアレグロ・ノン・トロッポのソナタ形式で第2部がアレグロ・モルトのスケルツォ、第3部がアンダンテ・トランクィロの緩徐楽章、第4部が第1部の主題をパッサカリア風に展開した楽章です。

2015年12月12日 (土)

今日の音楽 12月12日 マイ・ウェイ ; Music for today Dec.12 My Way

歌手、俳優のフランク・シナトラは1915年12月12日にニュージャージー州ホーボーケンで生まれました。

フランク・シナトラについては、あちこちに色々書かれていますのでそちらをご覧になっていただくとして、シナトラの代表曲のひとつが「マイ・ウェイ」でしょう。作詞がポール・アンカ、作曲がクロード・フランソワ、ジャック・ルボーのフランス語の曲をポール・アンカが改作したものです。ポール・アンカ自身がクロード・フランソワから権利を譲り受けたもので、ポール・アンカの歌詞は「人生の終わりに近くなった人が、自分の人生を振り返り、立ち向かった苦難を乗り越えるために行ったことに対して決して後悔していない」と歌うものです。

ポール・アンカは、この曲は自分が歌うよりフランク・シナトラが相応しいと言って1969年に、シナトラに提供しヒット・チャートでは最高位27位だったものの、息の長いヒット曲となりました。特にイギリスでは40位以内に75週間滞在という超ロング・セラーとなっています。ポール・アンカ自身もこの直後にレコーディングしていますが、その後多くの歌手にカバーされ、カバー数ではビートルズの「イエスタディ」に次ぐといわれています。

2015年12月11日 (金)

今日の音楽 12月11日 希望 ; Music for today Dec.11 Kibou

シャンソン歌手 岸洋子は1992年11月11日に敗血症で亡くなりました。

山形県酒田市出身でオペラ歌手を目指していましたが心臓疾患のため断念しました。病床で聴いたエディット・ピアフに憧れてシャンソン歌手に転向しました。フランスのシャンソンだけでなく、日本の曲も多く歌い「夜明けの歌」「恋心」「希望」など数多くのヒットを生み出しましたが1970年に膠原病を発病し、その後後遺症と闘いながら歌手活動を続けました。

「希望」は元々倍賞千恵子のミュージカルのために作曲されたものですが、1969年にフォーク・グループのフォー・セインツがレコード化しオリコンの26位になった曲です。翌年岸洋子がカバーしオリコンの2位の大ヒットとなりました。岸洋子はこの曲でレコード大賞の最優秀歌唱賞を受賞しました。

2015年12月10日 (木)

今日の音楽 12月10日 交響曲第3番「カディッシュ」 : Music for today Dec.10 Symphony No.3 "Kaddish"

バーンスタインの交響曲第3番「カディッシュ」は1963年12月10日にイスラエルフィルハーモニーの演奏で初演されました。

バーンスタインは3つの交響曲を作曲していますが、その全てが古典的な意味の絶対音楽とは正反対に位置する完全な標題音楽です。第1番の「エレミア」は、この「カディッシュ」同様宗教色の強い作品で旧約聖書の「エレミアの哀歌」から名づけられていてヘブライ式の聖歌詠唱を動機として使用しており、第2番の「不安な時代」はイギリスの詩人オーデンの詩に触発され、ニューヨークで暮らす4人の人間の孤独を描き、この第3番は死者の追悼の祈りという意味を持った曲です。

独唱、合唱の他に語り手も入るため、前の2作よりさらに従来の交響曲からは離れた存在になっています。初演の数日前に暗殺されたジョン.F.ケネディにレクイエムとして捧げられました。

2015年12月 9日 (水)

今日の音楽 12月9日 ロマンス(ガロ) ; Music for today Dec.9 Romance(GARO)

元ガロのメンバーで、ミュージシャンの堀内護は2014年12月9日に胃癌で亡くなりました。

高校の頃からバンドをやっていた堀内護は日高富明と高校時代の友人であった松崎しげると共にミルクというGSバンドを結成。その後日高に大野真澄を加えて1970年にガロを結成し1971年にアルバムデビューを果たしました。

2枚目のアルバムの中からシングルカットされた「学生街の喫茶店」がオリコンの1位になり一躍人気グループとなりました。ガロのヒット曲の中で、唯一堀内が作曲したのが「ロマンス」です。この曲は冒頭にマンドリンが入るのが特徴で、オリコン3位、レコード大賞の大衆賞を受賞しています。

1976年に路線の違いからガロは解散し、その後堀内はソロ活動を始めましたが、ヒットに恵まれず表立った音楽活動を断念。レコーディングセッションに参加したり、他の歌手への楽曲提供に転じましたが65歳で亡くなっています。

2015年12月 8日 (火)

今日の音楽 12月8日 チェロ・ソナタ(R.シュトラウス) ; Music for today Dec.8 Sonata for violin and piano(R,Strauss)

リヒャルト・シュトラウスのチェロ・ソナタヘ長調op.6は1883年12月8日にニュルンベルクで、ヴィーハンのチェロ、ケーニヒスタールのピアノで初演されました。

この作品はシュトラウスがまだ大学生の頃の作品です。ミュンヘン宮廷管弦楽団の首席チェロ奏者ヴィーハンとの出会いがきっかけで作曲されました。
まだベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスなどの先人の影響が色濃い作品です。

2015年12月 7日 (月)

今日の音楽 12月7日 ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ ; Music for today Dec.7 Variations and Fugue on a theme of Haydn

ブラームスのヘンデルの主題による変奏曲とフーガは1861年12月7日にクララ・シューマンの演奏でハンブルクで初演されました。

ブラームスは、変奏曲の大家と呼ばれています。有名なところでは「ハイドンの主題による変奏曲」という管弦楽曲の中で最も有名な曲がありますし、交響曲第4番の終楽章では一種の変奏曲であるパッサカリアが使われています。

ピアノ曲の分野でも、ヘンデルの主題による変奏曲とフーガとパガニーニの主題による変奏曲が知られていますが、特にこの「ヘンデルの主題による変奏曲」は30分弱という長大な演奏時間を必要とする大作です。変奏は25曲にも及び主題はヘンデルのクラヴィーア組曲第2巻の第1曲「エア」が使われています。

演奏技術的にも非常に難しい曲であり、かつドラマティックな曲になっています。変奏が重なると原曲とはかなり離れた音楽になっていくのはブラームスらしいところでしょう。

2015年12月 6日 (日)

今日の音楽 12月6日 ヴァイオリン協奏曲(シェーンベルク) ; Music for today Dec.6 Violin concerto (Schoenberg)

シェーンベルクのヴァイオリン協奏曲は1940年12月6日にクラスナーのヴァイオリン独奏、ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏で初演されました。

シェーンベルクはユダヤ人であったため、第二次大戦中にナチスから逃れてアメリカに渡りカリフォルニアで生涯を終えています。この、ヴァイオリン協奏曲は渡米後の第2作で、厳格な十二音技法でかかれたものです。十二音技法は制約が多いため、シェーンベルク自身にしても厳格に十二音技法のルールを守って作曲されたものはそれ程多くありませんので、この曲は非常に重要な作品と言えるでしょう。

2015年12月 5日 (土)

今日の音楽 12月5日 放課後のロックンロール・パーティ ; Music for today Dec.5 My Music

ミュージシャンのジム・メッシーナは1947年12月5日にカリフォルニア州メイウッドで生まれました。

ジム・メッシーナはロックバンドのバッファロー・スプリングフィールドの後期にプロデューサーとして参加し最終的にはベーシストとしてバンドに加わりました。バッファロー・スプリングフィールド解散後、ポコを結成して活動していましたがすぐに脱退。

1970年にケニー・ロギンスのプロデュースを手がける事になり、当時無名だったケニー・ロギンスに名前を貸してロギンス&メッシーナとしてデビューしました。このデュオは、カントリーっぽい曲やR&B風味の曲もこなす事ができ、「ママはダンスを踊らない」「愛する人」などをヒットさせました。

1973年には、「放課後のロックンロール・パーティ」をヒットさせましたが1976年に解散しています。

2015年12月 4日 (金)

今日の音楽 12月4日 木枯しに抱かれて ; Music for today Dec.4 Kogarashi ni dakarete

いよいよ本格的な冬になりました。初冬に因んだ曲としてジ・アルフィーの「木枯しに抱かれて」を選びました。

木枯らしは、日本の太平洋側で10月ぐらいから初冬にかけて吹く風速80m/s以上の北または西北西の風で秋から冬に変わっていく信号のひとつでもあります。木枯らしを歌った曲はたくさんあります。「木枯らしに抱かれて」は、1986年にジ・アルフィーの高見沢が小泉今日子に提供してヒットした曲です。

2015年12月 3日 (木)

今日の音楽 12月3日 ロシアの復活祭 ; Music for today Dec.3 Russian Easter Festival Overture

リムスキー=コルサコフの序曲「ロシアの復活祭」op.36は1888年12月3日にサンクト=ペテルブルクで初演されました。

この曲は、「シェエラザード」完成の直後に作曲され、リムスキー=コルサコフの作曲意欲が旺盛だった時期の作品です。前年に亡くなったロシア五人組のひとり、ボロディンと8年前に他界していたムソルグスキーに捧げられた曲です。ロシア正教の聖歌集からテーマを選びハリストス(キリスト)の復活を描いています。冒頭は静かに立ち上がりますが、その後は非常に賑やかな「祭」を意識した作品になっています。

私、個人的にこの曲を聞くと、吉幾三の「酒よ」を連想してしまいます。主題の冒頭の5つの音は、「酒よ」と全く同じなので・・・

2015年12月 2日 (水)

今日の音楽 12月2日 交響的変奏曲(ドヴォルザーク) ; Music for today Dec.2

ドヴォルザークの交響的変奏曲op.78 B.70は1877年12月2日にプラハで初演されました。

ドヴォルザークの中期の交響曲第5番、第6番はブラームスの影響が色濃く出た作品と言われています。特に第6番はブラームスの交響曲第2番の影響が強い作品として知られています。この、交響的変奏曲は、その頃の作品で、やはりブラームスのハイドンの主題による変奏曲の影響が強いものです。

但し、チェコの民族的な音楽の影響も強く、また、変奏がブラームスほど原形をとどめないぐらいに形を変えている事に比べると、古典的な雰囲気を強く持つ曲であると言えるでしょう。28曲の変奏からなっていて、主題は1877年の初頭に発表した男声合唱曲「3つの歌」の第3曲「私は流しのヴァイオリン弾き」です。

2015年12月 1日 (火)

今日の音楽 12月1日 囚われ人の歌 ; Music for today Dec.1 Canti di prigionia

ダッラピッコラの囚われ人の歌は1941年12月1日に初演されました。

ダラピッコラには、歌劇「囚われ人」という作品もあるので混同しないように要注意。囚われ人の歌は合唱と2台のピアノと打楽器のための曲です。

ダッラピッコラといえば、新ウィーン楽派の影響を受けて十二音技法を使った作曲家ですが、この曲は、冒頭から「怒りの日」のテーマが使用されるなど、比較的聞きやすい音楽になっています。この曲は後の「囚人」「解放」と三部作を構成している作品で、ムッソリーニによって迫害を受けていたユダヤ人(ダッラピッコラはユダヤ人でした)の抵抗の作品と言われています。

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