パイオニア交響楽団第26回定期演奏会・3
ビゼーの「アルルの女」第1組曲は、ビゼー自身が演奏会用に編曲したものです。メロディ重視の第2組曲に比べると、アンサンブルで聴かせる曲が多いためかちょっと地味な印象があって、演奏会で取り上げられる回数が極端に少ないのが残念です。
第1組曲の4曲は「前奏曲」「メヌエット」「アダージェット」「鐘」です。
第1曲「前奏曲」・・・劇音楽では序曲。プロヴァンス民謡の「三人の王の行進」が第1部の主旋律となって、弦楽器・管楽器のユニゾンで演奏されます。その後木管楽器に主題が移り、弦楽器の分散和音と共に管楽器で演奏され、テンポを緩めてチェロで演奏、テンポを戻して行進曲風な合奏という合計5回繰り返されます。
ユニゾンというのは誤魔化しが利かないので実は本当に難しい。音の長さ、音程、リズムは独りでも違えば丸わかりですし、弦楽器などは弾き方(弓のどの部分で弾くかなど)も合わせないと綺麗なユニゾンにはなりません。
第2部は、サキソフォンの独奏でフレデリの弟の知的障害をあらわすメロディ、とても美しい曲です。そして第3部がフレデリの恋の悩みという構成になっています。
(ちなみに、冒頭の弦楽器のユニゾンではコントラバスはお休みです)
第2曲「メヌエット」・・・劇音楽では第17曲の「間奏曲」。ビゼーらしい可愛らしい曲です。
第3曲「アダージェット」・・・劇音楽では第19曲の一部。弦楽四部による弦楽合奏です。コントラバスは全休です。
第4曲「鐘」・・・劇音楽では第18曲と第19曲の一部。ホルンによって鐘の音が表され、力強いメロディの後、中間部ではフルートによって優しい旋律が歌われ、最後に、再び鐘のメロディが繰り返される三部形式です。
第1組曲では、コントラバスにとって厄介なのは第1曲の分散和音。4度間隔で調弦されて、左手を動かさずに人差し指と小指で抑えられる音が2度というコントラバスにとって、分散和音というのはポジション移動、弦の移動が忙しくてとっても大変なんです。
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