パイオニア交響楽団第26回定期演奏会・2
今回の演奏会は前半1曲、後半2曲という少し変則的なプログラムになりました。元々は、前プロにクープランの墓、中プロにアルルの女、メインを火の鳥と考えて選曲したのですが、火の鳥を最も短い1919年版にしたことによって、アルルの女を有名な第2組曲だけにするとプログラム全体の長さが正味で1時間未満になってしまうため、それならば第1組曲も合わせてやってしまおうという事になりました。
そのため、通常の前半に前・中プロ、後半にメインとすると前半が後半の倍以上の時間になってしまう事、但し最後の盛り上がりを考えると火の鳥をメインからはずせない、という事もあって、今回のプログラムになったわけです。
さて、「アルルの女」は「カルメン」と並ぶビゼーの代表作として知られています。特に第2組曲の「メヌエット」と「ファランドール」は知らない人がいないほどの曲ですね。ところが、この有名な2曲が元々劇音楽「アルルの女」の曲では無いというのも何とも皮肉なところです。それについては、追々。。。。
「アルルの女」はフランスの劇作家ドーデの短編集「風車小屋だより」の中の物語のひとつです。この戯曲のために1872年にビゼーは27曲の付随音楽を作曲しました。当時ビゼーが依頼された劇場のオーケストラの編成が非常に小さく楽器の制約が多かった事もあり、また演奏も下手だったこともあり初演は失敗だったようです。
ビゼーは、この27曲の中から演奏会に適した4曲を選んで組曲としました。これが現在第1組曲と言われる曲です。
当時のフランスでは、お金になる音楽はバレエ音楽でした。また、ビゼー自身が若くして亡くなった事もあり、生前はバレエ音楽を作曲していないビゼーの評価は決して高いものではありませんでした。1875年ビゼーの死後、その美しい旋律や小さな編成で最大の効果を出すオーケストレーションなどが評価されるようになりました。
そこで、ビゼーの友人だった作曲家のギローがオーケストレーションをし直したり、編曲したりして作り出したのが第2組曲というわけです。
ご希望の方には演奏会のチケットを差し上げていますので、是非お越しください。
詳細は、こちらのページです。
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