今日の音楽 1月3日 夕陽のガンマン
映画監督のセルジオ・レオーネは1929年1月3日にローマで生まれました。
父親が映画監督で母親が女優という家庭に生まれて幼い頃から映画が身近だったセルジオは、それでも長い間下積みを重ねましたが、ちょうどイタリア映画界が歴史劇の大作の興業的失敗が相次いだ中、黒澤明の「用心棒」に感銘を受けてこれを西部劇に翻案する事を思い立ち、1964年に低予算で「荒野の用心棒」を製作しました。これはイタリアのみならず全世界でヒットし、マカロニウェスタン(アメリカやイタリアではスパゲッティウェスタン)ブームが始まったわけです。
低予算で収入が高いマカロニウェスタンは注目され全ヨーロッパで量産されることになり、セルジオ自身も「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」と次々とヒット作を生み出しました。この3つの作品に主演したのがクリント・イーストウッドで、彼はこれによって世界的な俳優となるきっかけを作ったわけです。
これらのマカロニ・ウェスタンは、元々の西部劇にある開拓者精神を無視して暴力的な描写が多かった事もありハリウッドでの評価は興業の成功の割りに低かったようです。そこで、セルジオは作風を変えて、最後に「ワンス・アポン・ア・タイム三部作」と言われるアメリカをより意識し研究した「ウェスタン」「夕陽のギャングたち」、そして遺作となった「ワンス・ア・ポン・ア・タイム・イン・アメリカ」をヒットさせましたが60歳で過労による心臓発作で亡くなりました。
セルジオ・レオーネの作品に欠かせないのが、エンニオ・モリコーネの音楽でしょう。小学校時代の同級生で生涯公私にわたって付き合いのあったモリコーネは「荒野の用心棒」から「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」までレオーネ作品の音楽を担当しています。
夕陽のガンマンは、ジューズ・ハープというアイヌのムックリのような楽器によって演奏されるリズムをバックに演奏される口笛から始まり、コーラスが加わって次第に盛り上がっていくというモリコーネ初期の名曲のひとつです。
« 今日の音楽 1月2日 あなた | トップページ | 今日の音楽 1月4日 いつか王子様が »
コメント