今日の音楽 1月11日 古風なメヌエット
ラヴェルの古風なメヌエットの管弦楽編曲版は1930年1月11日にラヴェル指揮ラムルー管弦楽団の演奏でパリで初演されました。
原曲は、ピアノ用の曲で、ラヴェルの作品で最初に出版された1895年20歳の時のものです。初演は1898年に行われました。したがって、まだラヴェル特有の色彩感は見られません。古風な(antique)というタイトルの由来は18世紀の舞曲であるメヌエットに、それ以前の中世・ルネッサンス時代の教会旋法を使用しているという本来ではありえない組み合わせに由来しています。
管弦楽編曲は1929年頃と推定されていますので作曲から30年以上も後の事になります。実質的なラヴェルの最初の作品を編曲したこの曲が、ラヴェルのオーケストラ単独の作品として最後の管弦楽作品となりました。ラヴェルはこの後は管弦楽の作品は2曲のピアノ協奏曲とオーケストラ伴奏つきの歌曲のみです。
原曲から大きな変更は加えていませんし、元の旋律が旋律なだけに、色彩感豊かなラヴェル独特のものとは異なりますが、オーケストレーションの魔術師といわれたラヴェルのことですから楽器の使い方などで生き生きとした曲に仕上がっています。
アバド指揮ロンドン交響楽団の演奏です。
今まで取り上げた曲
オーボエ協奏曲(チマローザ)
ロミオとジュリエット(プロコフィエフ)
2本のフルートのための協奏曲(チマローザ)
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