今日の音楽 3月5日 弦楽四重奏曲(ラヴェル)
ラヴェル唯一の弦楽四重奏曲ヘ長調は1904年3月5日にエマン四重奏団によって初演されました。
終楽章、ニュー・イングランド弦楽四重奏団の演奏です。
19世紀後半から20世紀にかけてのフランスではクラシックの世界では純音楽は不毛の時代でした。舞台芸術が花盛りで、クラシックの作曲家もバレエや劇音楽といった分野で傑作を多く遺していますが、特に室内楽の分野では作品数は非常に少ないですね。まだ、ピアノは教養として多くの人が嗜んでいた事もあって、ピアノを含む室内楽曲はそれ程でもありませんが、弦だけの室内楽なんてほんとに希少です。フォーレもドビュッシーも、そしてラヴェルもただ1曲だけしか作曲していません。
ラヴェルの弦楽四重奏曲は、10年前に作曲されたドビュッシーの弦楽四重奏曲 の影響を受けて作曲したものです。後に多少手を入れて1910年に出版され、師であったフォーレに献呈されています。
4つの楽章からなり、フランク 以来の伝統を受けて循環形式をとっています。まだ27歳と若かりし頃の作品で、特別に変わったスタイルの作品ではありませんが、お得意の色彩感の片鱗を見せている作品です。
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