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2013年2月 3日 (日)

パイオニア交響楽団第24回定期演奏会に向けて・6

悲愴の第1楽章は、短いけれど重苦しい序奏から始まります。序奏の旋律がそっくりそのまま第1主題に使われるのですが、それだけでなく、この旋律の始めのE-Fis-G(ミ・ファ♯・ソ)の動機は他の楽章にも登場してくる重要な動機となっています。

この序奏の旋律はファゴットで演奏されるのですが、ファゴットの旋律が出る3拍前にコントラバスが2部に分かれてミ・シという五度の和音の弱音でこの楽章がスタートするわけです。こういう少ない楽器で曲の頭がスタートする曲というのは、アマチュアオーケストラにとっては若干難しい点があります。
悲愴の場合、もし最初のコントラバスがちょっと高めの音程でスタートすると、ファゴットもそれに合わせた高めの音程で旋律を吹かなければならず、それに続く他の楽器も高めの音程で弾かないと違和感が生じる・・・つまり、最初が正しくない音程で始まっちゃうとどこかで音程のズレが生じるか、違う音程でずっと演奏し続ける必要があるんです。
これが、合奏で始まった場合、多少音程がズレている楽器があっても、平均化されるのでこういう違和感は生じないわけです(気持ち悪い和音にはなりますけど)

序奏のメロディは形を変えて2度演奏され、ヴィオラ、木管楽器などに断片的に引き継がれ、やがてヴィオラの旋律に受け継がれて、ソナタ形式の主部に向かいます。この序奏では登場する楽器は限られています。管楽器はオーボエとクラリネットとファゴット、それにホルン。弦楽器ではヴァイオリンは登場しません。

第1主題は、序奏のメロディをヴィオラとチェロが各2部に分かれた4部の合奏で提示され、それをフルートが受け継いでいきます。

第2主題は、この曲の中でもっとも有名な旋律です。甘美で切ない旋律です。この旋律は第1楽章で3回登場しますが、1回目より2回目、3回目と徐々に切なさより甘美さが増していくのも特徴です。

コーダの直前のクライマックス部分にはコントラバスにとって地獄が待っています。35小節の間Fis(F♯)の刻み(細かい音を繰り返す)が、しかもフォルティティシモ(fが3つ)というものです。このFisの音は、一番太い弦(五弦ベースでは2つめの太い弦)なので右手にも、左の指にも強烈な負荷がかかるわけです。ここ終わると左の人差し指には太い弦の溝が刻まれてます(笑)

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