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2012年12月31日 (月)

今日の音楽 12月31日 緑の風のアニー

アメリカのカントリーを代表するシンガー・ソングライターのひとり、ジョン・デンバーは1943年12月31日にニュー・メキシコ州ロズウェルで生まれました。

ジョン・デンバーはカントリー・ロードや悲しみのジェットプレイン、ロッキー・マウンテンなどのヒットで1970年代を代表するフォーク歌手です。

親しみやすいメロディや素直な歌詞で多くの歌手にもカバーされていますが、その代表曲のひとつが「緑の風のアニー」です。この曲は、彼にとっては「太陽を背に受けて」の次ぐ全米ナンバーワンヒットとなった曲。アニーは、彼の妻で、彼女に捧げる歌です。彼女の出身地ミネソタの森を散歩していたときに周囲の景色の素晴らしさに感嘆し妻への想いと共に歌った曲。歌詞の中に「アニー」という言葉が全く出てこないため、普遍的な愛の歌として歌われて来ています。

です

2012年12月30日 (日)

今日の音楽 12月30日 組曲「道化師」

ロシアの作曲家ドミトリー・カバレフスキーは1904年12月30日に生まれました。

カバレフスキーの音楽は、古典的な和声法や平易な曲が多くソビエト共産党にも迎合するリアリズム音楽が多いため数多くの作品を作曲したにもかかわらず、現在ではあまり演奏される機会がありません。唯一時々聞くことができるのが、1939年に作曲した児童劇「発明家と道化役者」のための16曲の付随音楽から10曲を選んで組曲とした、組曲「道化師」です。「プロローグ」「ギャロップ」「行進曲」「ワルツ」「パントマイム」「間奏曲」「叙情的小シーン」「ガヴォット」「スケルツォ」「エピローグ」で、特に2曲目の道化師のギャロップは日本では運動会などで使われて非常に良く知られています。

他の曲はあまり知られていませんが、それぞれの曲は非常に短い曲で肩の凝らない曲です。

チェクノヴォーリアンの指揮で全曲です。

2012年12月29日 (土)

今日の音楽 12月29日 弦楽四重奏曲(ドビュッシー)

ドビュッシーの弦楽四重奏曲は1893年12月29日にパリの国民音楽協会で、イザイ四重奏団によって初演されました。

ドビュッシーが敬慕したフランクの影響で、循環形式によって各楽章が関連付けられています。4つの楽章でできていてホモフォニックな曲調の曲です。

ジュリアード弦楽四重奏団で第1楽章です。

2012年12月28日 (金)

今日の音楽 12月28日 水の戯れ

作曲家モーリス・ラヴェルは1937年12月28日に亡くなっています。

ラヴェルの作品の特徴といえば、独特の色彩感。管弦楽曲は勿論、ピアノ曲も色彩感溢れる作品を数多く残しています。ラヴェルの色彩感の特筆すべき点は、色の違いだけでなく陰影が非常に上手く表現されている事です。

「水の戯れ」は、ラヴェルの特徴ともいえる古典的なソナタ形式の中で水そのものの動きを捉えた作品として名曲のひとつでしょう。作曲家の三善晃は「水の運動と態様を描いてこれほど素晴らしい作品は無い」と言うほどの作品で1902年という比較的早い時期のものです。原題のJeux d'eauは噴水という意味で、どちらかと言えばこの噴水を連想して聴く方がぴったり来る様な気がします。

アルゲリッチのピアノです。

2012年12月27日 (木)

今日の音楽 12月27日 華麗なるヒコーキ野郎のマーチ

アメリカの映画監督ジョージ・ロイ・ヒルは2002年12月27日に亡くなりました。

明日に向かって撃て」や「スティング」などで知られるジョージ・ロイ・ヒルは、第二次大戦中はアメリカの空軍でパイロットとして従軍していました。そんな経験を生かして1975年に制作した映画が「華麗なるヒコーキ野郎」でした。

上記の2作品で起用したロバート・レッドフォードが主人公となり、第一次大戦後の空に魅せられた男を描いた作品。音楽は、ヘンリー・マンシーニが担当しています。テーマ曲はとても調子の良い行進曲です。

2012年12月26日 (水)

今日の音楽 12月26日 悲劇的序曲

ブラームスの悲劇的序曲は1880年12月26日にウィーン楽友協会大ホールで、ハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によって初演されました。

今日の音楽では、最後のブラームスの管弦楽曲となったのが悲劇的序曲です。この曲、ブラームスの管弦楽曲の中では、お金のかかる協奏曲を除けばアマオケでは一番演奏される機会が少ない曲です。と言ったって絶対量は少なくは無いですが・・・。なぜ少ないかというと、だいたい10分程度の演奏会用序曲は演奏会の1曲目に演奏される事が殆どですが、オープニングはどちらかと言えば華やか或いは軽やかに始めたいものです。演奏を気持ちでカバーする事の多いアマオケではこういう重苦しいスタートは、なかなか消化しきれないですね。オケ弾きではこの曲好きな人が多いのですが、必ず選曲の際に反対する人がいる曲です。私も、曲としては嫌いでは無いのですがね。

この曲は特定の悲劇に対してではなくて、普遍的な悲劇を表現した作品です。ニ短調ではじまり途中長調に転調する箇所がありますが、この長調の場所も決して穏やかとか美しいとかいうものでは無く重苦しい感じで、長調を使いながらも悲劇を演出できるというのは、さすがブラームス・・・なんですが、やっぱり重い曲です。

ライナー指揮シカゴ交響楽団です。

2012年12月25日 (火)

今日の音楽 12月25日 誰かが誰かを愛してる

アメリカの俳優・歌手のディーン・マーティンは1995年12月25日に肺癌によって引き起こされた肺気腫で亡くなりました。

ジェリー・ルイスとの底抜けコンビで知られるディーン・マーティンはイタリア移民の子供で、闇の世界で様々な職業を経験した後、ショー・ビジネスの世界に入り映画の「底抜けシリーズ」で世界的スターの仲間入りを果たしました。

その後は「リオ・ブラボー」「オーシャンと11人の仲間」たちに出演しています。歌手としても10枚以上のアルバムを発売し、「誰かが誰かを愛してる」(Everybody love somebody sometime)では全米ナンバーワンのヒットを記録しています。

2012年12月24日 (月)

今日の音楽 12月24日 かもめの水兵さん

作曲家の河村光陽は1946年12月24日に胃潰瘍による出血のため亡くなりました。

1897年に福岡県で生まれ小学校で音楽の教師をしていましたが、ロシア音楽に傾倒し1920年にモスクワでロシア音楽の研究をするために朝鮮まで渡ったものの当時はロシアは革命の混乱期で音楽の研究ができる状況ではなかったことから、朝鮮に留まり音楽教師などをして時を待ちましたが、1924年に帰国。東京音楽学校選科で作曲を学び曲の発表やピアノ伴奏活動などを始めました。

1934年に佐藤義美の詞で「グッドバイ」を発表し世に認められることになりました。その後「赤い帽子、白い帽子」「かもめの水兵さん」「りんごのひとりごと」「船頭さん」など千曲を越える童謡を発表しています。

かもめの水兵さんは武内俊子の詞になる曲で、全身が白いカモメを白い服と白い帽子の水兵になぞらえて歌った曲で、簡潔で歌いやすいようにドミソで歌い始めるように作曲されました。この曲は武内俊子の生まれた土地である広島県の三原駅では入線の音楽として使われています。

ひばり児童合唱団です。

2012年12月23日 (日)

今日の音楽 12月23日 スターバト・マーテル(ドヴォルザーク)

ドヴォルザークのスターバト・マーテルは1880年12月23日にプラハで初演されました。

スターバト・マーテルは13世紀に生まれたカトリック教会の聖歌のひとつで、我が子イエス=キリストが磔刑になって母マリアが受けた悲しみを歌った歌です。中世以来ジョスカン・デ・プレパレストリーナシャルパンティエヴィヴァルディA.スカルラッティペルゴレージハイドンシューベルトロッシーニグノーコダーイなど多くの作曲家(600人ほどと言われています)が手がけています。

その中でも、ロッシーニのものとドヴォルザークのものが良く知られた作品です。

1875年に長女が突然亡くなり、それを悼む気持ちで作曲を始めたものの、多忙をきわめスケッチ段階で放置されていたのですが、1876年に長女と二女を相次いで亡くしたことでこの2人の冥福を祈るために作曲を再会し11月に完成しました。

初演は3年後に行われましたがドヴォルザークの声楽曲の頂点になる曲と位置づけられています。全10曲で演奏時間は1時間15分程度かかります。

サヴァリッシュ指揮チェコフィルです。

2012年12月22日 (土)

今日の音楽 12月22日 クラリネット五重奏曲(モーツァルト)

モーツァルトのクラリネット五重奏曲イ長調K.581は、シュタートラーのクラリネットで1789年12月22日にブルク劇場で初演されました。

クラリネットは、まだ当時新しい楽器でオーケストラの仲間入りをしたばかりでしたが、モーツァルトは友人のクラリネット奏者アントン・シュタートラーの為に、クラリネット五重奏曲とクラリネット協奏曲を作曲しています。

クラリネット五重奏曲は、クラリネットと弦楽四重奏のための曲で作品自体はあまり多くはありません。有名なところではブラームスとウェーバーでしょうね。ウェーバーの時代にはベールマンというクラリネットの名手がいて、彼のためにウェーバーは協奏曲を3曲とクラリネット五重奏曲を1曲作曲しています。ブラームスもミュールフェルトというクラリネット奏者に刺激されクラリネット五重奏とクラリネット三重奏を書いています。

クラリネットは管楽器の中でも特に弦楽器に溶け込みやすい音色を持つ楽器なので独奏的にもアンサンブルの中でも使えるという特徴を持っています。モーツァルトのクラリネット五重奏曲はソナタ形式、三部形式の緩徐楽章、メヌエット、変奏曲の4つの楽章で出来ていますが2つのトリオを持つ第3楽章の1つ目のトリオは弦楽四重奏のみの演奏になっています。

第2楽章です。

2012年12月21日 (金)

今日の音楽 12月21日 白と黒で

ドビュッシーのピアノ二重奏曲 白と黒では1916年12月21日に初演されました。

第2曲が第一次大戦で戦死した陸軍中尉ジャック・シャルロー(出版者の甥)に献呈されたことやヴィヨンの「フランスの敵に対するバラード」の一説が掲げられているなど戦争の影が色濃い作品となっています。

3つの楽章からできていて「白と黒で」というタイトルには大きな意味が込められているわけではなく、色彩と感覚とドビュッシー自身は語っています。第1楽章はクーセヴィツキーに献呈されていて「無我夢中で」と書かれています。第2楽章は「ゆるやかに、沈痛に」、第3楽章はスケルツァンドでストラヴィンスキーに献呈されています。

第1楽章、リヒターとブリテンのピアノです。

2012年12月20日 (木)

今日の音楽 12月20日 メインテーマ

映画監督の森田芳光は2011年12月20日にC型肝炎による急性肝不全で亡くなりました。

子役としてTVや舞台に出演していた森田は日大芸術学部在学中に自主映画の製作をはじめ、1981年に「の・ようなもの」で監督デビュー。1983年の「家族ゲーム」が出世作となり、その後「ときめきに死す」「それから」「キッチン」などを監督。1997年には「失楽園」が大ブームとなりました。

「メインテーマ」は、1984年に角川映画が制作した青春映画で片岡義男の原作、薬師丸ひろ子主演の作品でした。映画の内容自体はあんまり評価されませんでしたが、原田知世主演の「愛情物語」との二本立てで興行的には大成功しています。

作詞松本隆、作曲南佳孝によるテーマ曲です。

2012年12月19日 (水)

今日の音楽 12月19日 マノン・レスコー

イタリアのソプラノ歌手レナータ・テバルディは2004年12月19日に亡くなりました。

1922年に生まれ、アリゴ・ボーイト音楽院で声楽を学び1944年にデビュー。1946年に、再建されたスカラ座の再開記念コンサートに応募し、トスカニーニに認められボーイトの「メフィストフェレ」のエレーナやプッチーニの「ラ・ボエーム」のミミなどで活躍。スカラ座だけでなく世界各地のオペラ劇場に招かれ20世紀半ばを代表する歌手のひとりとなり、マリア・カラスと人気を二分するほどでした。

得意としたのは、上記の役のほかヴェルディオテロ」のデズデモナ、「運命の力」のレオノーラ、ジョルダーノの「アンドレア・シェニエ」のマッダレーナと、プッチーニのトスカ、マノン・レスコーのタイトルロールでした。

プッチーニの歌劇「マノン・レスコー」はプレヴォーの「ある貴族の回想録」という小説に含まれる作品で、マスネが先に「マノン」としてオペラ化していました。「マノン」がヒロインの人間や心理に重点を置いたものだったのに対し、プッチーニは物語性を重視し原作どおり、最後の舞台をアメリカのルイジアナまで移しています。

マノン・レスコーが歌うアリアでは「この柔らかいレースの中で」や「ひとり寂しく」が有名です。

プッチーニの歌劇「マノン・レスコー」から「この柔らかなレースの中で」です。

2012年12月18日 (火)

今日の音楽 12月18日 イタリア奇想曲

チャイコフスキーのイタリア奇想曲は1880年12月18日(新暦)に、ニコライ・ルビンシュテインの指揮で初演されました。

チャイコフスキーにしては妙に陽気な音楽なんで、さぞかし充実した時期に作曲したのかと思いきや、1877年に結婚した弟子のミリューコヴァと3ヶ月で離婚し、その後チャイコフスキーは神経を病んでしまいました。その療養目的でイタリアへ旅行した際にイタリアの文化・風土に感激して構想を練り作曲したのが「イタリア奇想曲(原題は民謡旋律によるイタリア組曲)です。

元々組曲という原題のとおり、この曲は5つの部分からできています。
第1部はトランペットとコルネットのファンファーレによって華々しく始まります。このファンファーレはイタリア滞在中に宿泊したホテルに隣接する騎兵隊の宿舎から聴こえた信号ラッパがヒントだそうです。その後は管楽器による三連符に乗って暗いロシアっぽいメロディが弦楽器で演奏されます。

第2部は管楽器の美しい旋律とその変奏です。第3部はタランテラ、第4部は第1部のリズムからイタリア民謡風のメロディを奏でます。
第5部は再びタランテラが用いられ熱狂的に終わります。

非常にテクニカルなコルネットのソロがあったり、曲調がコロッと変化するので、弾く側は結構大変な曲です。逆に曲調の変化をきちんと表現できないと、面白くも無い演奏になるわけです。。。

ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団です。

2012年12月17日 (月)

今日の音楽 12月17日 交響曲第10番(ショスタコーヴィチ)

ショスタコーヴィチの交響曲第10番は1953年12月17日にムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルハーモニー交響楽団によって初演されました。

スターリンから批判されジダーノフ批判の原因ともなった交響曲第9番から8年後に発表された曲で、スターリンの死後まで初演を待ったと言われる曲です。内容は、第2楽章に「スターリンの肖像」と言われる楽章を配し、第3楽章以降にDSCH音型というショスタコーヴィチのイニシャルからとった音型を使用することでスターリンの呪縛から解放された自己表現とも言われています。

いずれにしても、この曲以降ショスタコーヴィチはある程度自由度が高い作品を発表できるようになったわけです。形式的には第2楽章にスケルツォを配した古典的な4楽章形式をとっていて、終楽章ではD(レ) S=Es(ミ♭) C(ド) H(シ)が華々しく演奏されます。

初演と同じムラヴィンスキー指揮のレニングラード・フィルによる録音です。

2012年12月16日 (日)

今日の音楽 12月16日 ピアノ協奏曲第3番(プロコフィエフ)

プロコフィエフの代表作のひとつ、ピアノ協奏曲第3番は1921年12月16日に、プロコフィエフ自身のピアノ、ストック指揮シカゴ交響楽団の演奏で初演されました。

1913年に第2楽章となる変奏曲の作曲の着手から8年の年月を経て完成したピアノ協奏曲第3番は、オーケストラが独奏の伴奏にとどまらない役割を持っている曲です。3つの楽章がそれぞれ約9分ずつというバランスの良さも魅力のひとつです。

第1楽章は緊密な構成を持つ楽章、第2楽章は主題と5つの変奏曲、第3楽章はプロコフィエフ自身が独奏とオーケストラの討論とよぶ対立的な動きをする楽章になっています。

アルゲリッチのピアノ、アバド指揮ベルリンフィルで第3楽章です。

2012年12月15日 (土)

今日の音楽 12月15日 浜辺の歌

作曲家成田為三は1893年12月15日に生まれました。

秋田で生まれ小学校で教鞭をとったのち1914年東京音楽学校に入学、在学中にはドイツ留学から帰国して在野にあった山田耕筰の教えも受けて1916年に「浜辺の歌」を作曲するなどしました。学校での教師を続ける傍ら児童雑誌「赤い鳥」の主宰者鈴木三重吉との交流の中で多くの童謡唱歌を作曲しています。その後ドイツへ留学し、帰国後は川村女学院(川村学園)、東洋音楽学校(東京音大)、国立音楽学校(国立音大)などで講師・教授として教鞭をとっています。「かなりあ」や「赤い鳥小鳥」などの童謡唱歌の作曲家として知られていますが、音楽理論に長けた作曲家で多くの管弦楽曲なども作曲していました。第二次大戦で殆どが焼失してしまい残念ながらわずかな曲しか残されていないそうです。

浜辺の歌は、成田の故郷秋田県の能代の海岸を歌ったもので、今から100年近く前に作られた曲とは思えないほど洗練された曲ですね。特にサビの部分レレーラレー♯ラレーシ(かぜの音よの歌詞の部分)の下降音形の重複部分で下降した音を半音ずつ上げることで流れるような音楽表現を生んでいます。

倍賞千恵子の歌です。

2012年12月14日 (金)

今日の音楽 12月14日 ジャンニ・スキッキ

プッチーニのオペラ三部作は1918年12月14日にメトロポリタン歌劇場で初演されました。

プッチーニの三部作とは「外套」、「修道女アンジェリカ」、「ジャンニ・スキッキ」の3つの短編オペラを一気に上演しようという試みでした。当時パリでは短編もののオペラを3つ上演するという興行をやっていた劇場もあったというのがきっかけのひとつと考えられています。

この3作は直接の関連性がなく、結果としては「外套」はヴェリズモ・オペラの亜流と評され、「修道女アンジェリカ」は駄作と酷評され、唯一「ジャンニ・スキッキ」のみが大絶賛されたそうです。その後実際の上演でも。「修道女アンジェリカ」は3部作から落とされて「外套」「ジャンニ」だけの上演になり、今では「ジャンニ」のみが演奏される機会が多くなっています。

ジャンニ・スキッキは、プッチーニが完成した最後のオペラで、唯一の喜劇です。

パッパーノ指揮でコヴェントガーデン王立歌劇場による映像化作品です。

2012年12月13日 (木)

今日の音楽 12月13日 コートにすみれを

シンガー・ソングライター みなみらんぼうは1944年12月13日に生まれています。

フランスの詩人アルチュール・ランボーにあやかって芸名をつけて活動。大学卒業後コピーライターやラジオ台本作家を経て1971年に作詞・作曲家としてデビューしています。
さらに1973年に「ウィスキーの小瓶」で歌手デビューを果たしました。

作詞作曲をしたNHKみんなの歌の「山口さんちのツトム君」が150万枚を売る大ヒットセールスを記録しましたがその後もプロ並みの知識を持つ植物の研究やそれに関するエッセイなどを書きながらマイペースで仕事をしています。

朴訥とした歌がとても好感を持てるおじさん(もうおじいさん?)歌手で、「コートにスミレを」も失恋の歌を淡々と、しかし情感豊かに歌う曲です。

2012年12月12日 (水)

今日の音楽 12月12日 ボーイ・ハント

アメリカの歌手コニー・フランシスは1938年12月12日に生まれています。

11歳の頃からショーに出演し1955年にデビューしましたがしばらくは鳴かず飛ばず。1958年に"Who's Sorry Now"が大ヒットしてから順調にヒットを飛ばしました。彼女の曲は世界中でカバーされ、日本でも中尾ミエ弘田三枝子などがカバー曲をヒットさせています。代表的な曲は「可愛いベイビー」「ヴァケイション」。

コニー・フランシスがデビューした映画「ボーイ・ハント」の中でも歌われていた「ボーイ・ハント」はアイドル歌手の曲としてはなかなかの曲でした。

ボーイ・ハント(Where the boys are)です。

2012年12月11日 (火)

今日の音楽 12月11日 交響曲第6番(ニールセン)

デンマークを代表する作曲家カール・ニールセンの交響曲第6番「素朴な交響曲」は1925年12月11日にコペンハーゲンで初演されました。

ニールセン最後の交響曲である第6番は、標題が示すように古典的な形式に則った新古典派の雰囲気を持つ曲ですが、複雑なフーガや室内楽的な手法を用いた非常に手の込んだ曲になっています。古典的な4つの楽章からできていますが、内容は全く異なっていて、第2楽章にはフモレスケを、終楽章には変奏曲を用いています。各変奏で登場する楽器群を変えていて、最後の第9変奏では打楽器が中心になっています。

第2楽章フモレスケです。

2012年12月10日 (月)

今日の音楽 12月10日 日曜洋画劇場のエンディング・テーマ(So in Love)

アメリカの作曲家、アレンジャーのモートン・グールドは1913年12月10日にニューヨーク州生まれています。

音楽芸術研究所(現在のジュリアード音楽院)で作曲を学び、クラシック音楽に限らず、ポピュラーや映画音楽も手がけるオールマイティな作曲家として、また指揮者として活躍しました。

日本でも、多くのレコードが発売されていましたが、おそらく最も有名なものは、TV朝日系で放送されている日曜洋画劇場のエンディング・テーマ音楽でしょう。1966年の放送開始から2003年9月まで使われていたのが、コール・ポーター作曲の「ソー・イン・ラヴ」という曲。この演奏がグールドの編曲・ピアノ・指揮によるオーケストラ版です。元々はミュージカル「キス・ミー・ケイト」の曲で、ジャズのスタンダードとして知られている曲でした。

でも、聴いて見るとラフマニノフの曲そっくり・・・グールドがラフマニノフを頭に入れて編曲したんでしょうね。

2012年12月 9日 (日)

今日の音楽 12月9日 モーニング・サイド・オヴ・ザ・マウンテン

アメリカの歌手・俳優のダニー・オズモンドは1957年12月9日に生まれています。

1970年代、当時はジャクソンファイヴより人気のあったオズモンド・ブラザーズ(オズモンズ)の5男がダニー・オズモンドでした。日本では、末っ子のジミーが人気あったけど・・・

ダニーは、オズモンズで活躍する傍ら、ソロ歌手としても「恋する年頃」とか「トゥー・ヤング」などオールウェイズナンバーをカバーしてヒットを続けました。兄弟の紅一点マリーは、オズモンズのメンバーにはなっていなかったものの、ソロ歌手としてデビューしていましたが、この2人がマリー&ダニー・オズモンドとしてデュエットでヒットさせたのが、「愛の散歩道」や「モーニング・サイド・オヴ・ザ・マウンテン」です。

時代を思わせる、ノスタルジックな雰囲気のする曲で、当時でも時代遅れっぽい曲だったのですが、かえってそれが新鮮でヒットしたのかもしれませんね。

2012年12月 8日 (土)

今日の音楽 12月8日 交響曲「ウェリントンの勝利」

ベートーヴェンの交響曲「ウェリントンの勝利」は1813年12月8日に初演されました。

ベートーヴェンの9つの交響曲に比べれば忘れ去られた存在になっていて、中には「ピアノ、ヴァイオリンとチェロの為の交響曲」と並ぶベートーヴェンの駄作と評されることもあるほどで、今でも演奏会で取り上げることは殆ど有りません。

この曲は1813年のスペインにおけるビトリアの戦いでフランスに勝利した初代ウェリントン候アーサー・ウェルズリーを讃える曲として作曲したもので、チャイコフスキーの「1812年」と同じ趣向で戦争と勝利を表現した描写的音楽ですが、1812年が今でも数多く演奏されるのに対して知名度も非常に低い曲ですね。交響曲となってはいますが、その実ソナタ形式で書かれているわけでも無く、実質は交響詩なのですが当時はまだ交響詩が確立していませんでしたので・・・。やはり、チャイコフスキーの派手な演出に比べるとスケールが小さい事も現在取り上げられない理由のひとつでしょう。

この曲は2つのパートで出来ていて、トランペットが6本も出るなど当時としては大編成です。前半はイギリスの愛国歌「ルール・ブリタニア」とフランス民謡の「マールボロは戦場に行った」が両軍を象徴して入り混じることで戦争を表現し、後半では「マールボロは戦場に行った」を短調に編曲しフランス軍の撤退、イギリスの勝利の凱歌をイギリス国歌のアレンジで表現しています。初演当時は物凄い人気だったそうです。

ボンガルツ指揮ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団です。

2012年12月 7日 (金)

今日の音楽 12月7日 ピアノ協奏曲第24番(モーツァルト)

ピアニストのクララ・ハスキルは1960年12月7日ブリュッセルの駅で転落した怪我が元で亡くなっています。

1895年ルーマニアで生まれ10歳でパリ音楽院へ入学し15歳からヨーロッパ各地で演奏旅行を行っていました。ただ、ハスキルは非常に体が弱かった事と舞台負けが極端になって演奏も好評を得られなかったようです。第二次大戦後オランダでの演奏会を通じて評価されるようになり透明感に満ちた感性の高い演奏を特徴として支持されるようになりました。

特に、モーツァルト、ベートーヴェンといった古典派のピアノ曲を得意として、当時ナンバーワンのモーツァルト弾きと言われていました。

モーツァルトのピアノ協奏曲第24番は、第20番と並んで2曲しかない短調のピアノ協奏曲で暗く情熱的なベートーヴェンっぽい曲です。また、モーツァルトのピアノ協奏曲の中で最も編成が大きくフルートが1本であることを除いて完全な2管編成となっています。

第1楽章。ハスキルのピアノ、マルケヴィッチ指揮コンセルト・ラムルーで第1楽章です。

2012年12月 6日 (木)

今日の音楽 12月6日 君をのせて(天空の城ラピュタ)

作曲家の久石譲は1950年12月6日に生まれています。

久石譲についてはもう何度も書いたので詳しく書くのは止めますが、国立音大の作曲家を卒業して現代音楽の作曲やアンサンブルグループでの演奏活動をしながら映画音楽の作曲を始めました。最初の仕事はTVアニメ「はじめ人間ギャートルズ」の音楽を担当(まだ本名でした)、転機となったのが1984年宮崎アニメ「風の谷のナウシカ」でした。これで一躍脚光を浴び、宮崎作品や北野武作品では欠かすことのできない存在となったわけです。

映画だけではなく、新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラの音楽監督に就任し、演奏会のプロデュース、指揮なども行い名実共に日本を代表する音楽家となったわけです。

久石譲の宮崎作品の音楽としては、「風の谷のナウシカ」、「千と千尋の神隠し」と並んで好きなのが「天空の城ラピュタ」の音楽です。宮崎作品の音楽を担当してはいますが、主題歌は他の作曲家の作品が多いですね。
「風の谷のナウシカ」は実際には映画の中では使われませんでしたが細野晴臣、「魔女の宅急便」は荒井由実、「紅の豚」はフランスの曲、「千と千尋の神隠し」と「ハウルの動く城」は木村弓でした。

「君をのせて」はエンディング・テーマとして井上あずみが歌った曲。作詞は宮崎駿です。

DTMで自作した管弦楽演奏データーです。

2012年12月 5日 (水)

今日の音楽 12月5日 グラゴル・ミサ

ヤナーチェクのグラーゴル・ミサ曲は1927年12月5日ブルノで初演されました。

教会スラヴ語の典礼文に曲づけされた独唱、合唱と管弦楽のための曲で宗教的な意図のためではなく、スラヴ民族意識の高揚を目論んで作曲されたものです。
「グラゴル」はスラヴ人の最古の文字である「グラゴル文字」の事です。

合唱曲を得意としていたヤナーチェクの真骨頂が発揮された曲で、20世紀の作品の中でも最も優れた作品のひとつと評価されています。

第1曲 入祭文、第2曲 キリエ、第3曲 グローリア、第4曲 クレド、第5曲 サンクトゥス、第6曲 アニュス・デイ、第7曲がオルガン独奏で第8曲 イントラーダという楽曲構成になっています。

アンチェルの指揮で、序奏です。

2012年12月 4日 (火)

今日の音楽 12月4日 アラベスク(ブルグミュラー)

作曲家・ピアニストのヨハン・ブルグミュラーは1806年12月4日にドイツのレーベンスブルグで生まれました。

ブルグミュラーは、ピアノの小品と、数曲のオペラ・バレエを作曲しています。特にピアノの練習曲は今でもピアノ入門者の重要な練習曲のひとつとして知られています。その他の曲では、アダンのバレエ「ジゼル」に数曲の追加をしているのが最も演奏機会が多いものです。

特に「25の練習曲op.100」はヤマハが教則本に採用して、特に2曲目の「アラベスク」は幼児期のピアノ発表会では必ず1回は聴くほど知られている曲ですね。単純な左手の和音と音の跳躍の少ない右手のメロディによる曲なので初級者にはピッタリの曲なんでしょうね。

アラベスクです。

2012年12月 3日 (月)

今日の音楽 12月3日 交響曲第1番(エルガー)

エルガーの交響曲第1番は、1908年12月3日マンチェスターのフリートレードホールで、ハンス・リヒター指揮ハレ管弦楽団で初演されました。

エルガーは近代イギリスを代表する作曲家なのですが、日本ではあまり知られていませんね。「威風堂々」と「愛の挨拶」ぐらいはよく知られていますが、本当は交響曲も3曲(第3番は未完)作曲しているし、協奏曲も未完のものを含めて3曲作曲しています。弦楽のためのセレナーデという名曲もありますし、私の大好きな「コケイン」という管弦楽曲もあります。エニグマ変奏曲という魅力的な曲もあるのですが、イギリスの音楽ってちょっと評価低いですね。

エルガーの交響曲第1番は曲の頭に現れる旋律が循環主題として全体に現れ、その他の動機も他の楽章に登場するという4つの楽章が密接なつながりをもつ曲です。この主題の繰り返しがしつこいとして批判的な評価もあるようですが、概ね堂々とした大交響曲の風格を持つ作品です。

ジンマン指揮ボルチモア交響楽団で第1楽章です。

2012年12月 2日 (日)

今日の音楽 12月2日 トゥーランガリラ交響曲

メシアンのトゥーランガリラ交響曲は1949年12月2日バーンスタイン指揮ボストン交響楽団の演奏で初演されました。

ボストン交響楽団の音楽監督だったクーセヴィツキーの委嘱を受けて1746年から作曲したもので、中世の伝説「トリスタンとイゾルデ」からインスピレーションを受けています。トゥーランガリラはトゥーランガとリラという2つのサンスクリットでトゥーラングが「時」「リズム」など、リラが「遊び」「愛」などの意味で、トゥーランガリラは「愛の歌」などの意味の造語です。

10の楽章からできていますが、この曲の最大の特徴のひとつが電子楽器オンド・マルトノを本格的に採用した初期の曲という事でしょう。ソロ楽器として扱っているため聴く人の印象に強く残るため、オンド・マルトノを使用した曲では演奏頻度が非常に高い曲です。全体的には無調性ですが、ところどころ調性が顔を除かせます。

ミュンフン指揮フランス国立管弦楽団です。

2012年12月 1日 (土)

今日の音楽 12月1日 ヴァイオリン協奏曲第2番(プロコフィエフ)

プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番は1935年12月1日ロベール・ソエタンのヴァイオリン独奏アルボス指揮マドリード交響楽団によって初演されました。

ソエタンの演奏旅行に伴奏者として同伴したときに依頼されて作曲されたもので、プロコフィエフの作品の中では保守的な音楽で、特にロシア的な第1楽章とスペイン風の第3楽章の融合が面白い作品です。形式も伝統に則り急-緩-急の3つの楽章構成で、名ヴァイオリニストのハイフェッツが好んで取り上げてこの曲の知名度アップに貢献しています。

ジャニーヌ・ヤンセンの独奏、マーク・エルダー指揮の演奏です。

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