今日の音楽 11月30日 管弦楽のための変奏曲(シェーンベルク)
20世紀を代表する指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは1954年11月30日にバーデンバーデンで死去しています。
大戦前後多くの音楽家がドイツを離れる中ナチスへの協力容疑で演奏活動禁止処分を受けたフルトヴェングラーですが、今ではそれは誤解で逆にドイツに留まりユダヤ人音楽家を庇護していたことがわかって名誉が回復されています。とにかく人間の情念を抉り出すような指揮が今でも20世紀最大の指揮者と言われる所以でしょう。スコアを奥の奥まで読み込むという彼の音楽への接し方がそれを支えていたのでしょう。
フルトヴェングラーの名演奏といえばまず挙げられるのが1951年のバイロイト音楽祭でのベートーヴェンの第九でしょうが、初演した作品も数多くあります。
シェーンベルクの管弦楽のための変奏曲もその中のひとつ。1928年12月2日にベルリン・フィルで初演されました。4管編成という大規模な編成で導入部、主題と9つの変奏曲、コーダからできています。シェーンベルクが十二音技法を使った最初の大規模な曲です。
残念ながらフルトヴェングラーの指揮したものは無かったので、ブーレーズ指揮シカゴ交響楽団で前半です。