今日の音楽 8月20日 コントラバス協奏曲ニ長調(ヴァンハル)
オーストリア古典派の作曲家ヴァンハルは1813年8月20日に亡くなっています。
ボヘミアで生まれ、早期から音楽教育を受けオルガニスト、教会楽長などをしながら生計をたてていたところをシャフゴーチュ伯爵夫人のはからいで、ディッタースドルフに作曲を学ぶことができるようになりました。その後研鑽をつみ、作曲だけで生計をたてられる最初の作曲家と言われるほどになっています。少なくとも73曲の交響曲など膨大な曲を作曲したそうです。
師匠のディッタースドルフもコントラバス協奏曲を作曲していますが、ヴァンハルもニ長調のコントラバス協奏曲を作曲しました。かつては変則調弦で半音上げて変ホ長調で演奏するのが通例だったそうですが現在はニ長調で演奏されます。
メジャーな作曲家が殆ど手がけていない事もあってコントラバス協奏曲というのはあまり馴染みが無いと思いますが、自分で演奏していながら私もあまり好んで聴く事はありません。どちらかというと、コントラバス奏者としての技術を披露するという意味では存在意義はあると思いますが、聴いていて楽しいとか心打たれるとかいう分野の曲では無いですね。元々ソロ楽器には適していませんからね。
考えられる理由はいくつかありますが、私が考えるに、大きな理由は2つ。1つ目は運動性の悪さ。半音の幅が広すぎるので細かいパッセージを弾き難い。弦と弦の間が広くて移弦にちょっと時間がかかる。弦のテンションが低いので発音がはっきりしにくいためモゴモゴ聴こえる等々・・・。2つ目は特徴である超低域が人間の耳では聞き取りにくい。勿論技巧を見せる協奏曲ではト音記号などを駆使して高い音域まで要求されますが、高い音域ならチェロでも良いジャンとなるわけです。勿論同じ音でもチェロやヴァイオリンとは音色は違いますがフルートやクラリネットとファゴット程の音色の違いは無いですしね。
そうは言っても、コントラバスでもこんな事ができるという曲なので聴いてみてください。ヴァンハルの協奏曲は曲としても良く出来ているし、演奏もかなり難しいらしいです(チャレンジしようと思った事も無いのでわかりません)
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