今日の音楽 5月5日 ヴァイオリン・ソナタ(ドビュッシー)
ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタは1917年5月5日にガストン・ブーレのヴァイオリン、ドビュッシーのピアノで初演されました。
ドビュッシー最後の作品で晩年に計画された6つのソナタの3曲目になる作品です。チェロ・ソナタ、フルート・ヴィオラとハープのためのソナタに続く曲で結局大腸癌と戦いながら、この3曲目が絶筆となってしまいました。また、この初演がドビュッシーが公の場に出た最後だそうです。
この曲は、印象主義の特徴を端的に表現した作品で深い思索を感じさせる内容です。3つの楽章から出来ていますが、所謂緩徐楽章が無く、第1楽章Allegro vivo(活発なアレグロ)、第2楽章間奏曲(幻想的かつ軽快に)、第3楽章(きわめて活発に)となっているように全楽章快活な音楽に終始しています。癌に冒され翌年には亡くなってしまう人間の作品としては、悲しみとか生への執着心とか、そういうものを微塵もかんじさせない、孤高の芸術作品という感じの作品です。
オイストラフの演奏で第2楽章です。
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