今日の音楽 5月24日 クロイツェル・ソナタ
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル・ソナタ」は、1803年5月24日に初演されています。
ベートーヴェンは10曲のヴァイオリン・ソナタを作曲していますが、最も知られているのが第5番とこの第9番です。私は個人的には、いかにも「春」といった感じの明るい第5番が好きなのですが、第9番は「ほとんど協奏曲のような、相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノソナタ」という題名をつけたほど、ヴァイオリンとピアノを対等に扱った堂々とした曲で、ヴァイオリンソナタの最高傑作のひとつに上げられています。
元々は、イギリスのプリンス・オブ・ウェールズ(後のジョージ4世)に仕えていたヴァイオリニスツのジョージ・ブリッジタワーのウィーンでの演奏会のために作曲をはじめた作品ですが、結局演奏会には間に合わず、大まかな楽譜による即興的な演奏と、他の曲の転用でお茶を濁したそうです。
完成した曲は、ブリッジタワーではなく当時フランスで活躍していたヴァイオリニストのクロイツェルに献呈されましたが、クロイツェル自身は一度も演奏することが無かったようです。
第1楽章は緩急を効果的につけたソナタ形式、第2楽章は変奏曲、第3楽章はタランテラになっています。
ムターのヴァイオリン、オーキスのピアノです。
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