今日の音楽 4月14日 ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」
モーツァルトのピアノ協奏曲第26番ニ長調「戴冠式」K.537は1789年4月14日に初演されています。
モーツァルトに関しては、その死に関しても様々な憶測がありますが、宮廷を離れフリーの音楽家としての活動が中心となった晩年は、その天才的な音楽性のためか品行が悪かったせいか大衆からの人気も無くなり、予約演奏会も予約が集まらずに開催できなくなっていたようです。
ピアノ協奏曲第26番は、そういう時代の作品で、公式の初演も自費によって行われましたが不入りで経済的に更に厳しい状況になって行ったようです。
フランクフルトで行われたオーストリアのレオポルド2世の戴冠式に同行して演奏されたため「戴冠式」というタイトルがついていますが、4月の初演は、これに先立ってドレスデンのザクソン選帝侯フリードリヒ・アウグスト三世の后アマーリエの元で行われたそうです。
この曲の特徴は、ピアノ独奏譜が不完全という事。モーツァルト自身が演奏する分には譜面など無くても演奏できるのでしょうが、出版となるとそうも行かないわけで結局様々な補完譜が出版されているものの、決定的なものは無さそうです。左手部分が書かれていない部分が非常に多く2楽章などは右手だけしか無いそうです。
明るくてロココ形式の華やかな曲なので人気がありますが、作品としては20番台の協奏曲の中では最も評価の低い曲だそうです。が、音楽というのは作品の出来だけで左右されるものではなくて、人の心にどう感じるかですので理論的な出来の悪い曲が人気があったりするのも当然でしょうね。
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