今日の音楽 3月8日 ラコッツィ行進曲
1869年3月8日はベルリオーズの命日です。
今でこそフランスの器楽音楽の祖みたいな存在で、その先進性が大きな評価を得ているベルリオーズですが、その斬新さから当時は興行的には成功と失敗を繰り返していた作曲家でした。
1930年に幻想交響曲で大成功を収め、一躍脚光を浴びます。その後ベルリオーズはローマ大賞を受賞しローマに留学しますが、留学中に婚約者が他の男と結婚してしまった為精神的なダメージを受けニースで療養しています。
そのためにローマ留学を早めに打ち切って帰国したベルリオーズは、幻想交響曲の幻想の相手である女優のハリエット・スミッソンと再会し結婚します。イタリア時代に作曲した交響曲「イタリアのハロルド」の初演は成功し金銭的にも余裕が出たようです。
1938年に初演された歌劇「ベンヴェヌート・チェルリーニ」は序曲を除いて不評に終わり、「レクイエム」は初演までの紆余曲折はあったものの結果的には大成功、劇的交響曲「ロミオとジュリエット」も成功しました。その後は「ベンヴェヌート・チェルリーニ」の第2幕の前奏曲として作曲した「ローマの謝肉祭」、ハンガリー民謡の「ラコッツィ行進曲」を管弦楽に編曲したハンガリー行進曲などが次々と成功しますが「フランス讃歌」などの大編成の曲の演奏で出費が嵩み、経済的には苦しかったようです。
ヨーロッパ各地への演奏旅行をしながら「ファウストの劫罰」を作曲し、ラコッツィ行進曲もこの曲の中に取り入れました。
ラコッツィ行進曲は17世紀末に作曲されたと考えられていますが作曲者は不明なようです。リストも「ハンガリー狂詩曲」第15番で、この曲を引用しています。
ベルリオーズの作品の中でも、比較的簡潔で演奏効果も高いため、アマチュア演奏には適した曲ですね・・・ただ、編成が大きい割りに時間が短い(5分程)なので、なかなかプログラムには組めないのかな?
ショルティ指揮ウィーンフィルです。
« 今日の音楽 3月7日 出発の歌 | トップページ | 今日の音楽 3月9日 ナブッコ »
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 今日の音楽 3月8日 ラコッツィ行進曲:
» ショルティ&ロンドン響のバルトーク:管弦楽のための協奏曲 [クラシック音楽ぶった斬り]
ショルティは作品の性格をしっかりとつかみ、曲の内面を深く掘り下げながら、中身の濃い音楽を作り上げている。 [続きを読む]
» C・デイヴィス&コンセルトヘボウのベルリオーズ:幻想交響曲 [クラシック音楽ぶった斬り]
オーケストラが高性能のせいか非常に克明な演奏である。 [続きを読む]
コメント