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2012年2月11日 (土)

今日の音楽 2月11日 交響曲第9番(ブルックナー)

未完成に終わったブルックナーの交響曲第9番は、ブルックナーの死去から7年後の1903年2月11日にレーヴェの改訂版でウィーンで初演されています。

ベートーヴェン以来作曲家は10番目の交響曲は完成できないというジンクスが作曲家の中でも真剣に考えられていたことは、マーラーの「大地の歌」のエピソードでも有名でしたが、ブルックナーは第9番作曲の途中で他界してしまいました。ブルックナーは9番の第3楽章までしか完成できませんでしたが、彼自身が「取り消し、無効」とした第0番という作品があるために、番号のある交響曲は一応9曲完成し、10曲目の途中で絶筆となったわけです。しかも、ブルックナーの第9番はベートーヴェンの第9番と同じニ短調という調性で、これはベートーヴェンの呪縛への挑戦と取れなくもないでしょう。

この曲の作曲を始めたのは1887で、他界したのが1896年ですから随分作曲に長い期間を費やしたと思いますが、この間にブルックナーお得意の以前の作品の手直しを盛んにやっていたという事でそれに時間を費やされていたようです。結局亡くなるまでに完成したのは終楽章の再現部の途中まで、完成されていたと言われているスケッチも失われてしまっているため、演奏会では第3楽章までの演奏で終える事が多いです。古今東西の未完成作品同様、多くの研究者や作曲家が完成版を作っていますがどれも決定的なものでは無く、あまり演奏される機会は多く有りません。

第9番は、ベートーヴェンの第九をかなり強く意識していたのか、第2楽章にスケルツォを置いています。3つの楽章だけでも1時間を越える長大な曲で、調性も曖昧な部分が数多く存在しており後期ロマン派から次のステップへという段階も見えてくる作品です。

アバド指揮ベルリンフィルで第1楽章です。

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