今日の音楽 12月30日 交響曲第2番(ブラームス)
ブラームスの交響曲第2番は1877年12月30日に、ハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルによって初演されています。
ブラームスは、ベートーヴェンの呪縛からか初めての交響曲を作曲するのに20年近くの年月を費やしたというのは有名な話ですが、1番を完成させて吹っ切れたのかどうかは知りませんが、2曲目の交響曲は1877年の6月に着手し、わずか数ヶ月で完成させています。
この2曲目の交響曲は、ブラームスの田園交響曲などとも呼ばれているように、1音1音が息がつまる様な精緻さを持って書かれた第1番とは異なる趣の曲になっています。まるで同時に初演された「運命」と「田園」という両極端の作品とよく似通っています。
と、言ってもブラームスの特徴とも言える4分の4拍子と2分の3拍子が同時進行するというようなアンサンブルの妙を聴くこともできますし、メロディに頼らないという点でも、やはりブラームスと言える曲です。
この曲はブラームスの4つの交響曲の中で唯一コントラファゴットが登場せず、チューバが使われています。
第1楽章は、チェロトコントラバスによって演奏されるD-C♯-Dというこの曲を統一する動機に乗って演奏されるホルンの主題が非常に牧歌的な楽章で、ブラームスの田園と言われる所以です。
第2楽章はブラームスの緩徐楽章の中では最も変化に富んだ楽章です。
第3楽章は間奏曲とスケルツォが合体したような曲です。
終楽章は、スタートはくぐもったような雰囲気ですが、いきなり視界が開けたような歓喜の叫びが上げられ、非常に華やかに最後を飾る曲です。
カラヤン指揮ベルリンフィルで終楽章です。
« 今日の音楽 12月29日 ふるさと | トップページ | 今日の音楽 12月31日 フライ・アウェイ »
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 今日の音楽 12月30日 交響曲第2番(ブラームス):
» フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのベートーヴェン:交響曲第4番/第5番《運命》(1943年ライヴ) [クラシック音楽ぶった斬り]
第2次大戦時のこの演奏について、誰もが尋常ならざるものだと言うであろう。
[続きを読む]
» フルトヴェングラーのベートーヴェン:交響曲第1番(1952/11/29,VPO)/交響曲第5番「運命」(1954/5/23,BPO) [クラシック音楽ぶった斬り]
フルトヴェングラーは死ぬまで闘っていたのだ。指揮者とオーケストラの激しい気迫も如実に伝わってくる。 [続きを読む]
» フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのウェーバー:「魔弾の射手」序曲/ラヴェル:ダフニスとクロエ」組曲第2番/ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」(1944年ライヴ) [クラシック音楽ぶった斬り]
フルトヴェングラーの7種の《田園》の中では、このベルリン盤が最も主観的で、フルトヴェングラー臭が強い。
[続きを読む]
コメント