今日の音楽 12月28日 交響曲「画家マチス」
1963年12月28日は、ヒンデミットの命日です。
ヒンデミットは1895年にドイツで生まれ、フランクフルトのホッホ音楽院(現・フランクフルト音楽・舞台芸術大学)でヴァイオリンと作曲を学び、オーケストラのコンサートマスターやビオラ奏者として活動し、弦楽四重奏曲などの作品を世に出しています。
ドイツ人でありながら、ナチスに協力しなかったため「退廃音楽」のレッテルを貼られヒンデミット事件と呼ばれる弾圧を受けました。このときにヒンデミットを強く擁護したのがフルトヴェングラーです。
結局ヒンデミットは、スイスからさらにアメリカに亡命し、第二次大戦終結と共に、ヨーロッパへ戻っています。
ヒンデミットの音楽は、現代音楽の部類に入りますが、新ウィーン楽派とは一線を画して無調音楽は否定しています。ヒンデミットは、多くの楽器について精通しており、殆どの楽器のための器楽曲やソナタを書いた作曲家としても知られています。
交響曲「画家マティス」は、ヒンデミット事件のきっかけともなった歌劇「画家マティス」の姉妹作ともいえる作品で、歌劇の素材を再構成する形で作曲された作品です。第1楽章は前奏曲から取られた「天使の合奏」、第2楽章は間奏曲にあたる「埋葬」、第3楽章はマティスの見る幻影の場面を再構成した「聖アントニウスの誘惑」の3つの楽章から出来ています。編成は普通の2管編成です。
ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団で、第1楽章です。
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