今日の音楽 11月7日 交響曲第3番「ポーランド」
チャイコフスキーの交響曲第3番「ポーランド」は1875年11月7日にモスクワで初演されています。
チャイコフスキーの交響曲の中で唯一、長調から始まる交響曲第3番はチャイコフスキー作品の中で唯一5つの楽章を持っているという、マンフレッド交響曲を含めた7つの作品の中でも異色の作品です。位置的にも、ロシアの民族色を前面に出した第1番、第2番と、ロシアというローカル色から脱却して内面的な物を表現した4番、5番、6番との狭間にあたる曲です。
こういう転換期の曲は、ベートーヴェンの「エロイカ」、シューベルトの「未完成」などのように高い評価を得る物もありますが、中途半端な曲という見方をされてしまう曲もあります。どちらかと言えば、この曲は後者にあたり、チャイコフスキーの中でも最も演奏される機会が少ない曲です。
曲全体は舞曲風の雰囲気を持ち、考えようによっては演奏効果の高い曲なのですが、チャイコフスキーという作曲家の交響曲として考えると物足りなさを感じてしまうのかもしれません。第2楽章にワルツ風音楽、第4楽章にスケルツォ、第5楽章がポロネーズという軽い内容の楽章が多く、単純に楽しむには全く問題の無い曲だと思いますし華やかな曲なんですけどね。
標題の「ポーランド」は、ポーランドとは直接係わりが無く、終楽章にポロネーズを使った事から付けられた標題のようです。
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