今日の音楽 10月28日 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー最後の交響曲、第6番は1893年10月28日に初演されています。
チャイコフスキーが初演後わずか9日の1893年11月6日に死去してるため、死を予感したチャイコフスキーの最後のメッセージとも考えられている作品ですが、チャイコフスキー自身も最高傑作と言っている程斬新で奥の深い交響曲です。
「悲愴」というタイトル(原題ではPathetique)は、弟のモデストが言った副題をチャイコフスキーが認めた形で、一応公認の副題だそうです。この曲にぴったりのタイトルでは無いでしょうか。
交響曲第6番は、一見オーソドックスな4つの楽章から出来ていますが、中身がまるで違っています。通常の急-緩-舞曲(またはスケルツォ)-急というパターンを、急-舞曲-舞曲(スケルツォ+行進曲風)-緩としています。昔は、第3楽章がとても激しい楽章のため、第3楽章が終わると、全曲終了と思って拍手をしてしまう人が殆どのコンサートにいました。今では、あまり見かけられなくなりましたが、これを防止するために第3楽章が終わると休み無しで終楽章に入る指揮者も少なくなかったようです。
また、有名な主題を持つ第1楽章の次には舞曲として5/4拍子のワルツが入ります。そして、12/8拍子系と4/4拍子系の音楽が絡み合う第3楽章、エレジーともいえる終楽章から成っており終楽章の主題は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが1音ずつ交互にメロディを奏でるという珍しい形になっています。
この曲は、コントラバスから始まり(左の譜面)、終楽章はコントラバスのピチカートで実質的には終わる(下の譜面)(チェロとコントラバスの伸ばしの音が余韻として残されますが)という曲ですが、両方ともdivisi(1つのパートが複数に分かれて演奏する)になっているため、同じ楽器でアンサンブルをやる事の少ないコントラバスにとっては、あまり得意な分野ではありません。
デュトワ指揮NHK交響楽団で、第1楽章前半です。
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