、今日の音楽 10月25日 カルメン
1838年10月25日は、作曲家ジョルジュ・ビゼーの誕生日です。
昔から、大作曲家の中には、メロディ・メーカー系とコンストラクチャー系(?)の作曲家がいます。コンストラクチャー系の中には本当に構成力に優れた作曲家と、オーケストレーションの優れた作曲家がいます(まあ、大雑把に分けて・・という事ですが)。構成力型作曲家の代表はベートーヴェン、ブラームスでしょう。オーケストレーションはリムスキー=コルサコフやラヴェルが上げられます。
メロディ・メーカー系の作曲家は、結構単発の作曲家が多いのですが、大作曲家となるとシューベルト、ドヴォルザークそして、このビゼーでしょう。そして、ビゼーと言えば「カルメン」ですね。
ビゼーは、「カルメン」以外にも、例えばアルルの女の「メヌエット」、「真珠採り」のセレナーデなどポピュラー音楽にアレンジされている曲がいっぱいありますが、何と言っても、「カルメン」は親しみやすいメロディの宝庫です。ところが、1875年3月の初演は失敗だったそうです。オペラのヒロインが単なる女工だった事、ソプラノでは無くてメゾ・ソプラノだった事が原因のひとつにされています。初演はオペラコミーク形式で歌とセリフによるものでしたが、その後グランドオペラ形式への改編を依頼されましたが、ビゼーは初演後わずか3カ月で病死し、弟子のギローがレシタティーヴォを書き加えてグランドオペラ形式にして現在の大成功オペラになったわけです。
従って、ビゼーは自分の作品が音楽史上代表的なオペラとして認められるなどとは全く思わず亡くなってしまったという事です。ただ、3カ月の間で30回を超える再演があり、今までの自分の作品とは違う手ごたえは感じていたのではないでしょうか。
「ハバネラ」「セギディーリャ」「花の歌」「ミカエラのアリア」「闘牛士の歌」など、メロディ・メーカーとしての才能を遺憾なく発揮した「カルメン」は、後に組曲版に改変され演奏会でも頻繁に取り上げられるようになると共に、サラサーテのカルメン幻想曲など多くの作曲家の題材として取り上げられる希有な音楽と言えるでしょう。
マリア・カラスで「ハバネラ」です。
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