今日の音楽 9月18日 椿姫
1905年9月18日は、女優グレタ・ガルボの誕生日です。
グレタ・ガルボは初期ハリウッドの伝説的な女優。私の大好きなイングリッド・バーグマンと同じスウェーデン出身の神秘的な美貌の持ち主として映画界を支えてきました。
スウェーデンの王立演劇アカデミーで演技を学び、在学中に映画監督マウリッツ・スティッレルと出会い「イエスタ・ベルリングの伝説」という映画の大役に抜擢されました。スティッレルがハリウッドに招かれるとガルボも随行し半ば強引にMGMと契約。1926年の「イバニエスの激流」でハリウッドデビュー。スティッレルはハリウッドのシステムと合わず帰国しましたが、ガルボは残り「肉体の悪魔」「アンナ・カレーニナ」などで人気女優に登りつめました。
トーキー映画時代に入り、容姿と声のギャップによって人気が落ちる女優が続出する中、ガルボのハスキー・ボイスが人気に拍車をかけました。その後1940年代になると以前より人気が落ちたことで引退を決意。36歳までに24本の映画を残しています。引退後は一切マスコミの前に出ることは無く、1954年に受賞したアカデミー名誉賞の授賞式にも欠席。1990年に84歳でこの世を去っています。
1936年に公開された「椿姫」で、ガルボはマルグリット(オペラではヴィオレッタ)役で主演しています。勿論オペラ映画では無く歌も歌っていませんが、アルマン・デュバロ(オペラではアルフレード)を愛しながら、彼の立場を尊重し遠ざかっていく女性を見事に演じています。特に、死の床にある最後のシーンはハリウッド映画の名場面のひとつとも言われており、ミュージカル映画「アニー」でも劇中劇として使われています。
「椿姫」は、ヴェルディによってオペラ化され、ヴェルディの作品の中でも最も人気の高い作品です。が、初演は大失敗。死の床にあるヴィオレッタ役の歌手の体格があまりにも立派過ぎたことなどが原因のようです。オペラでは登場人物の名前が原作から変えられています。このオペラの人気の理由は、美しくはかない前奏曲、華やかな「乾杯の歌」、「そはかの人か~花から花へ」、アルフレードの「燃える心を」、父親ジェルモンの「プロヴァンスの陸と海」、愛の二重唱「パリを離れて」などのアリアの数々と、登場人物ひとりひとりの性格描写が単純(性格が単純という事ではありません)という事が大きいと思います。
ただ、よく考えてみると、アルフレードが最も単純で考えが浅い人間という感じがしてしまいます。
ネトレプコのソプラノで、「花から花へ」です。
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