今日の音楽 7月31日 超絶技巧練習曲
1886年7月31日は、フランツ・リストの命日です。
ピアノの名手兼作曲家は、ショパン、シューマン、ラフマニノフなど数多くいますが、管弦楽作品の分野で「交響詩の確立」という、音楽史を代表する功績を記したのはリストが代表格では無いでしょうか。
今回は、そういう管弦楽作品はさておいて、リストのピアノ曲の代表である超絶技巧練習曲を取り上げます。ピアノ曲ではリスト・ヴァイオリン曲ではパガニーニというのが、技術的に簡単には弾けない曲の代名詞ですが、リストの凄さというのは管弦楽曲の魅力を1台のピアノの為にアレンジしてしまった、という点が上げられると思います。リストは、ベートーヴェンの9つの交響曲をはじめ、ベルリオーズの幻想交響曲、ワーグナーの数々のオペラを取り上げています。
ところで、「超絶技巧練習曲」は決して技巧的な点だけが難しい練習曲ではありません。元来原題では「超越」という言葉が使われていて、これは技術的な面だけではなく精神的、肉体的なもの全てを超越したという意味のようです。「超絶技巧練習曲」は第3稿にあたる曲で、元々初稿は1826年「すべての長短調のための48の練習曲(実際には12曲)」で出版されました。その後1837年に第2稿の「24の大練習曲」が出版されました。これは最も難しい稿と言われています。最後に出版された第3稿が、「超絶技巧練習曲集」という12曲の練習曲集です。
ピアノのリサイタルなどでは、この12曲を全て取り上げられる事は稀で、1曲とか2曲だけを取り上げる事が多いようですが、特に第4番の「マゼッパ」は後にリスト自身が編曲して交響詩「マゼッパ」として世に出ています。
ベレゾフスキーのピアノで「マゼッパ」です。