今日の音楽 7月9日 リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲
1879年7月9日は、イタリア近代の作曲家レスピーギの誕生日です。20代では、ヴァイオリン・ヴィオラなどの演奏家として活躍し、その後作曲家に転向。ローマ三部作では、独特の色彩感を表現するオーケストレーションを聞かせてくれます。
印象派の影響を受け、ラヴェルの色彩感に近いものを感じさせながら、レスピーギは古典的な手法を捨て去らなかった作曲家です。とりわけ、ルネッサンス音楽を含むバロック以前の音楽を蘇らせた作曲家としても知られています。その中でも、特に「リュートのための古風な舞曲とアリア」と題した3つの組曲は、16~17世紀のリュート曲を管弦楽の為に編曲した組曲で、人気の高い曲です。題名は「リュートのための・・」ですが、曲自体はリュートのための曲ではありませんのでご注意を。
それぞれ4曲からなる組曲で、第1組曲と第2組曲は管弦楽のための曲。最も人気の高い第3組曲は弦楽合奏の為の曲です。
第3組曲は、
作者不明の曲に基づく「イタリアーナ」
ベサールの曲に基づく「宮廷のアリア」
作者不明の曲に基づく「シチリアーナ」
ロンカッリの曲に基づく「パッサカリア」
の4曲からなる組曲です。難易度もそこそこで、弾き映え、聴き映えも十分なので、アマチュアの弦楽奏者にとっても重要なレパートリーです。
「イタリアーナ」は、チェロがリュートを思わせるピチカートによる分散和音を奏する中、ヴァイオリンによる明るく爽やかなメロディが演奏されます。
「宮廷のアリア」は、ヴィオラによるアリアの中間を、リズム・メロディの異なる5つの曲が彩りを添えています。
「シチリアーナ」は、CMなどにも使用される有名なメロディです。中盤では同じメロディが激しさを増し、チェロの下降音階による中間コーダが印象的です。
「パッサカリア」は、とても弦だけの合奏とは思えない重厚な音楽です。それだけに4曲中最も演奏が難しい曲なのですが、弾き応えのある1曲です。
拙作のMidiデーターはこちらです。
名古屋弦楽ゾリステンで第4曲パッサカリアです。
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