今日の音楽 6月7日 交響曲第8番(ドヴォルザーク)
1897年6月7日は、指揮者ジョージ・セルの誕生日です。
ハンガリーに生まれたセルは、幼少から神童と言われる程のピアノ技術を持っており、作曲も手がけていましたが、最終的には指揮者の道を選んでいます。
ナチスから逃れてイギリスに移住し、アメリカ演奏旅行中に第二次大戦が勃発したため、そのまま住みつきました。1946年にクリーヴランド管弦楽団の常任指揮者に就任、徹底した完璧主義でクリーヴランド管弦楽団をアメリカのビッグファイブ(他の4つは、ニューヨーク・フィル、フィラデルフィア管、ボストン響、シカゴ響)に押し上げました。
各都市の人口から考えると、ニューヨーク1位、フィラデルフィア5位、ボストン22位、シカゴ3位に比べるとクリーヴランドは45位という州都にもなっていない都市のオーケストラですからセルの手腕は大したものだったのでしょうね。
セルの指揮する音楽は、生真面目で面白みに欠けると言われていますが、それだけに我々アマチュアにとっては教科書として練習するには最適の演奏と言えるでしょう。ベートーヴェンやモーツァルトには定評がありますが、ロマン派以降の音楽については余計にそういう観点で聴くことができると言われています。セルの演奏では、これがナンバーワンという衆目が一致するものはありませんが、ベートーヴェンの交響曲第3番を推す人が多いようです。そのほかでは、やっぱりベートーヴェン、モーツァルトの評価が圧倒的に高いのですが、その他で個人的にお勧めなのは、ドヴォルザークの交響曲第8番です。
「イギリス」という表題で呼ばれる事もある作品ですが、内容は全くイギリスと関係なく単にイギリスの出版社から出版されたという事のようです。
第8番は、ワーグナーやブラームスの影響が強かった第6番までの交響曲とは異なり、チェコの音楽を意識した第7番をより完成させた形に持って行った作品です。(第9番はアメリカ音楽とチェコへの郷愁の融合なので、ある意味最もチェコの作曲家らしい作品です)
セル指揮クリーヴランド管弦楽団で第2楽章です。
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