今日の音楽 6月4日 交響曲第8番(ショスタコーヴィチ)
1903年6月4日は、ロシア(ソ連)の20世紀を代表する指揮者、エフゲニ・ムラヴィンスキーの誕生日です。とにかく、厳格でリハーサルの回数はオーケストラが何度も演奏した曲でさえ10回は下らなかったというほど音楽の追求には妥協をしなかった指揮者でした。生涯の殆どをレニングラード・フィル(現・サンクト・ペテルブルグ・フィル)に捧げ、録音を嫌ったために記録の残っているものは非常に少ない指揮者で、現在で発売しているCDも殆どがライブ録音。それでいて、ライブ録音の完成度は非常に高く、他の指揮者のスタジオ録音を押しのけてベスト盤に選ばれている曲が多いという事は、生演奏の完成度の高さを証明していると思います。
ムラヴィンスキーが演奏した曲の中で回数が最も多かったのはチャイコフスキーの交響曲第5番、2番目がショスタコーヴィチの交響曲第5番だそうですが、両方とも既に紹介ずみなので、今日はムラヴィンスキーが初演し、ムラヴィンスキーに献呈された、ショスタコーヴィチの交響曲第8番を取り上げます。第8番は、第7番の「レニングラード」同様ファシズム(ナチスドイツ)との戦争をテーマにした作品ですが、レニングラード包囲戦の勝利を讃えた第7番に比べると、戦没者への慰霊の意味が強かったため、「暗い」という批判を受けて1948年のジダーノフ批判の後1960年まで上演が禁止されていた作品です。
5つの楽章からなり、演奏には60分程度を要する曲です。激しさ(戦争)と静けさ、悲しみ(慰霊)のコントラストが見事な作品です。
個人的には第3楽章が好きで、機械的なリズムに乗ってファンファーレが色々な楽器で繰り返される楽章ですが、この楽章弦楽器は大変でしょうねぇ。どこがって?聴いてもらえばわかります。
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