今日の音楽 5月31日 弦楽四重奏曲第77番「皇帝」
交響曲の父と呼ばれるハイドンは1809年5月31日にウィーンで逝去しています。
ハイドンは104曲(+α)の交響曲を作曲していますが、弦楽四重奏曲も82曲残しています。実はハイドンが最も多く作品を書いたのはバリトン三重奏曲(約126曲)なのですが、バリトンという楽器が現在では大変珍しい為に殆ど演奏されないようです。
ハイドンの作品は、一般の作曲家の作品番号(opus)では無く、ホーボーケン番号という番号が付けられています。ホーボーケン番号は通し番号では無くジャンル毎に分類して、それに通し番号を付けています。Hob.Ⅰ-1 というような表記で、ローマ数字がジャンルを表しています。Ⅰは交響曲、Ⅱは4声以上のディヴェルティメント、Ⅲは弦楽四重奏曲で全部でⅩⅩⅩⅠまであります。
まあ、とにかく作品の数が多いハイドンの中から、死亡した年齢77にまつわる曲で有名な曲という事で、弦楽四重奏曲第77番を選びました。弦楽四重奏曲はホーボーケンの分類ではⅢになりますので、Hob.Ⅲ-77になるわけです。で、77番と言ってピンと来ないと思いますが、副題に「皇帝」がついていると言えば、わかる方もいらっしゃるのでは無いかと思います。
ハイドンが作曲した「オーストリア国家及び皇帝を讃える歌」を変奏曲にした第2楽章を持つことから「皇帝」の副題で呼ばれるようになったのですが、この元の歌は現在ではドイツ国歌として知られている曲です。数ある国歌の中でもオーストリア国歌(伝・モーツァルト作曲)と並ぶ大作曲家による作品です。