今日の音楽 5月24日 交響曲第2番(エルガー)
エルガーという作曲家は、クラシック音楽の世界ではドイツから帰化したヘンデル以降100年以上も精彩がなかったイギリスの音楽界の新たな歴史を築いた大変に重要な作曲家でした。日本では「威風堂々」と婚約者のために作曲した「愛の挨拶」以外は殆ど知られていませんが、オペラ以外のあらゆる分野の作品を残した大作曲家なのです。
交響曲第2番はエルガーが完成した2つの交響曲のひとつでイギリス国王のエドワード7世に献呈するために書き始められましたが、作曲中に国王が崩御し追悼の曲として捧げられる事になりました。初演は1911年5月24日。演奏時間が1時間弱という長めの曲ですが、形式的には古来の4楽章の形式を踏襲している曲です。国王の回顧録という雰囲気の強い曲なので、どちらかと言えば重々しい曲で、特に第2楽章はレクイエムのような悲しみと美しさを感じさせる曲です。
まあ、この曲は決して取っ付き易い曲ではありませんが、ロンドンの喧噪を表現した序曲「コケイン」とか、曲自体に謎を秘めたエニグマ変奏曲など素晴らしい曲も多いので、是非威風堂々以外の曲も聴いてみてください。
エルガー自身の指揮、ロンドン交響楽団で第2楽章です。
« 今日の音楽 5月23日 歌劇「フィデリオ」序曲 | トップページ | 今日の音楽 5月25日 惑星 »
コメント