今日の音楽 5月22日 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
1813年5月22日は、リヒャルト・ワーグナーの誕生日です。
ワーグナーといえば、良きにつけ悪きにつけ、後期ロマン派のトップに立つ作曲家のひとりと言えるでしょう。特に、歌劇(ワーグナーに言わせれば舞台総合芸術ですか)の分野では、ある意味ひとつの頂点を築き上げた音楽家(あえて作曲家とは言わない)です。
その楽劇も、リヒャルト・シュトラウスによって継承されたもののその後のクラシック音楽の世界では継承者も無く、むしろミュージカルや映画など大衆芸術にその考え方は引き継がれて行きました。
ワーグナーのオペラの題材は、民族伝承などを題材にしたものが殆どです。「リエンツィ」は14世紀ローマの実話を元にした話、「さまよえるオランダ人」は大航海時代以降の「カリブの海賊」のようは話、「タンホイザー」はドイツの13世紀の騎士の話、「ローエングリン」はちょっと古く10世紀頃、「ニーベルンクの指環」は12世紀に成立したニーベルンゲンの歌を題材とした作品、「トリスタンとイゾルデ」は10世紀末に成立したケルト人の伝説、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は16世紀の封建社会の話、「パルジファル」は10世紀の話・・・という具合です。
これらのオペラを上演する事は歌手の人数の多さ、大掛かりな舞台装置などアマチュアが手を出せる世界ではありませんが、序曲や一部の抜粋では何とか演目に並べる事が可能です。そうは言っても、特殊楽器や編成の多さ、演奏の難しさもあって、まともな演奏を聴かせるのはとっても難しいのが現状です。
そんな中で、アマチュアが最も取り上げ易いのが「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲ですね。私も数回演奏しました。本来はハープが必要ですが無くても何とかなるし、ワーグナーチューバも不要。何とか普通の2管編成でも曲になるという事と、主な部分の拍もはっきりしていてアンサンブルもワーグナーの中では「ローエングリン」の第1幕・第3幕の前奏曲と並んで比較的楽である、時間的にも10分程度なので前プロにはぴったりです。
実は、コントラバスにとっても美味しい曲で、中間部ではチューバとコントラバスだけが対旋律として冒頭の動機を演奏したり、それ程高い音も無く、初心者の練習にもぴったりという曲です。
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楽譜に指示されたすべての反復が実行され、しかも各曲それぞれの性格が鮮明に示されているのが素晴らしい。
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