今日の音楽 5月20日 フルートとハープのための協奏曲
2000年5月20日は、20世紀を代表する、というか、音楽の歴史上最も優れたフルート奏者と言われたジャン・ピエール・ランパルの命日です。
フランスのマルセイユに生まれ、音楽の先生だった父親の手ほどきでフルートを始めました。パリ音楽院を卒業後39歳までいくつかのオーケストラの奏者として活躍。その後はソロフルート奏者として世界中で演奏活動をしています。プーランクなどの20世紀の作曲家から多くの作品の献呈を受け、また埋もれていたバロック音楽を発掘し演奏してきました。クラシック音楽以外でも日本の民謡や唱歌を編曲して録音したりフルートの独奏楽器としての地位を確立した音楽家でした。
フルートは、元々オーケストラでも旋律を担当する事が多いため、フルートの活躍する曲は数多くあります。しかしながら、フルートをメインとした協奏曲は意外に少ないという印象があります。バロック時代は、ヴィヴァルディの海の嵐とか、バッハの管弦楽組曲のようにフルートが独奏を担当する曲が多いのですが、その多くはブロックフルーテ(縦笛)の為に書かれた曲で、フルートの魅力を十分に引き出したとは言い難い曲が多いようです。
モーツァルトは、横笛のフルートのための協奏曲を2曲作曲していますが、クラリネット協奏曲やオーボエ協奏曲、ホルン協奏曲に比べると陰が薄いという印象があります。寧ろ、フルートとハープを独奏楽器としたドッベルの方が有名です。この曲は、フルートとハープという透明度の高い楽器を独奏とする事で非常に清清しい曲に仕上げた名曲です。
オーボエとホルンが各2本と弦楽合奏だけの小さな編成ですが、第1楽章と第3楽章はフルート、ハープ共に、これらの楽器に対して我々が持っているイメージとは異なる意外な力強さを聴かせてくれますし、第2楽章は至上の美しさを表現してくれます。
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