今日の音楽 5月17日 スポーツと気晴らし
犬のためのぶよぶよした前奏曲、干からびた胎児、でぶっちょの木製人形へのスケッチとからかい、世紀的な時間と瞬間的な時間・・・
このタイトルがクラシック音楽だと想像できる人は、かなりなクラシック音楽通ですね。
1866年5月17日は、これらのピアノ曲を作曲したフランスの作曲家エリック・サティの誕生日です。こんな曲を作曲したのだから異端児だったんだろうと思われるでしょうが・・・確かに、その時代では異端児だったと思われます。しかしながら彼の音楽は後の数々の作曲家に大きな影響を与えています。特に、印象派のドビュッシーやラヴェルは、教会旋法の導入や並行和音を継承して自分の世界を作り上げました。また、彼の元々の譜面には調性記号や小節線が存在していません(一部後期作品では存在していましたが)。ただ、彼の音楽はそういう自由なキャンバスに描いてはいますが、無調性や変拍子の多様という事では無くて曲を聞く限りは調性はありますし、拍子もきちんと意識できます。この思想が発展して行ったのがメシアンやストラヴィンスキーであるとも言われています。また、「家具の音楽」という曲は、誰もがそこにある事を意識しないで聴く事ができる音楽という意味で、いわゆるイージーリスニング、BGMのルーツとも言われています。
それ程、後の作曲家に影響を与えたサティも、つい最近までは評価が低い作曲家でした。最近は「ジムノペディ第1番」がCMやBGMとして使われメジャーな存在になりつつあります。
サティが、シャルル・マルタンの風俗画に1曲ずつ曲をつけるという企画の依頼を受けて作曲したのが「スポーツと気晴らし」という21曲のピアノ小品集です。「ヨット遊び」「海水浴」「競馬」「テニス」などからなる小品集ですが、第16曲目の「タンゴ」はとりわけ有名です。というのも、この曲、曲頭にセーニョマークがついていて曲の最後に「ダル・セーニョ」が記され、fine記号が無い・・・要する頭から終わりまでを永遠に繰り返すというのがこの曲の正しい演奏法なんです。まあ、実際には、シュトラウスの「無窮動」同様数回繰り返して終わりますけど・・・
第11曲「ゴルフ」から第21曲「テニス」までです。
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