今日の音楽 5月11日 バーバ・ヤーガ
1855年5月11日は、ロシアの作曲家リャードフの誕生日です。
前にも書いたのですが、リャードフは非常に豊かな才能に恵まれ五人組の後継者として期待された星だったのですが、作品数は多くは無く、大作も無い・・・という状態で60歳を目の前に亡くなっています。
作品数の少なさは、自信の無さ、怠け癖という原因があったようです。それを物語るエピソードとしては、ロシア・バレエ団のディアギレフに依頼されたバレエ曲を例によってグズグズと書かずに、最後には新進のストラヴィンスキーに仕事を振ってしまったという話しが残されています。
リャードフの音楽は、その殆どが標題音楽で、ロシアの民話や伝承に基づいた曲が多く、絶対音楽はあまりありません。特に既存の曲の変奏曲も多くオリジナリティに欠けると言われる事はありますが、一度その手にかかればオリジナルを凌駕する作品に仕上げる事だできたので、勿体無い作曲家だったと言えるでしょう。
リャードフの代表作といえば「キキモラ」と「バーバ・ヤーガ」の2つの交響詩でしょう。「バーバ・ヤーガ」はロシア民話に寄せる音画というタイトルがつけられています。「バーバ・ヤーガ」はムソルグスキーの「展覧会の絵」でも取り上げられたロシア民話に登場する代表的な妖婆で、人間の子供を襲い食べてしまうというような鬼婆です。(要するに、子供に、これをやってはいけない!という事を教える話に登場するわけですね)このバーバ・ヤーガの口笛の描写で始まり臼に乗り箒を使って移動し・・という姿を多彩な管弦楽法で表現している傑作だと思います。
ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルです。
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