今日の音楽 5月1日 フィガロの結婚
映画「アマデウス」で、皇帝ヨーゼフ2世があまりの長さに退屈して欠伸をした、というエピソードで描かれている歌劇「フィガロの結婚」は1786年5月1日にウィーンのブルク劇場で初演されました。
ボーマルシェの人気戯曲「フィガロの結婚」は、前作「セヴィリアの理髪師」でフィガロが仲を取り持ったアルマヴィーヴァ伯爵とその夫人ロジーナの倦怠期と、フィガロと結婚する伯爵夫人の小間使いスザンナに対するアルマヴィーヴァ伯爵の初夜権騒動を中心に、女性とあれば誰にでも手を出そうとする小姓のケルビーノ、フィガロに言い寄る女中頭のマルチェリーナ(実は若い頃に盗賊にさらわれたフィガロの実の母だった)、前作「セヴィリアの理髪師」でフィガロの機転によってロジーナを奪われた医者のバルトロ(実はフィガロの父親)などが絡みながら、フィガロとスザンナ、バルトロとマルチェリーナのW結婚と、伯爵夫妻の仲直りというめでたしめでたしで終わります。モーツァルトは、これをオペラブッファに仕立て上げました。
内容が、貴族の風刺という事から上演が危ぶまれていましたが、モーツァルトが皇帝を懐柔して初演にこぎつけたとも言われています。が、3時間弱にもなる長い作品だった事もありウィーンでは不評でした。
ところが、当時オーストリアの領土だったプラハでは大ヒット。モーツァルトをプラハに招いた演奏会では交響曲第38番が初演され、「プラハ」とう副題がつけられるようになりました。その上新作オペラの注文までもらい、「ドン・ジョヴァンニ」を作曲しています。そんな理由でか、ドン・ジョヴァンニの中で、「フィガロの結婚」で最も有名なアリアのひとつ「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」の旋律が登場しています。
作品自体は長いですが、序曲からはじまり、ケルビーノの「自分で自分がわからない」、フィガロがケルニーニの出征を励まして歌う「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」、ケルビーノの「恋とはどんなものかしら」、ロジーナの「楽しい思い出はどこへ」など、数々の有名なアリアが使われています。
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