今日の音楽 4月24日 ヴァイオリン協奏曲第1番(ブルッフ)
19世紀後半ドイツの作曲家マックス・ブルッフは、今ではヴァイオリン協奏曲、スコットランド幻想曲、コル・ニドライといった独奏弦楽器とオーケストラの為の作品で知られています。というよりも、しか知られていないと言った方が良さそうです。が、当時はドイツを代表する作曲家のひとりで交響曲や歌劇など色々な分野で作品を残しているのです。
上記のように3曲のヴァイオリン協奏曲、スコットランド幻想曲などが代表的な作品なので、元々ヴァイオリン弾きなのかと思われる方もいるのではないかと思いますが、実はブルッフは幼い頃から作曲の勉強をしており、ヴァイオリンは殆ど弾けなかったそうですから驚きです。
ヴァイオリン独奏の曲が多かったのは、当時ヨアヒムとサラサーテという当代きっての名ヴァイオリニストが存在していたからです。従って、この19世紀後半はヴァイオリン協奏曲の名曲が数多く生まれています。ヨアヒムに献呈された作品は、このブルッフの1番をはじめ、ブラームス、ドヴォルザーク、シューマンのヴァイオリン協奏曲、サラサーテに献呈された作品はブルッフの2番とスコットランド幻想曲、サンサーンスの3番、序奏とロンド・カプリチオーソ、ラロのスペイン交響曲などがあります。
ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は、これぞロマン派を代表する曲と言えるでしょう。ロマンチックなメロディと流麗なオーケストレーションで流れるような曲になっています。カデンツァが挿入されていないのも特徴で、これによって澱みのない曲想を際立たせているのかもしれません。1866年4月24日に初演されていますが、初演時はヨアヒムではなくてケーニヒスロウというヴァイオリニストが演奏しています。
キョン・ファのヴァイオリンでプレヴィン指揮ロンドン交響楽団。終楽章です。
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