今日の音楽 3月5日 ロミオとジュリエット
1953年3月5日午後6時、プロコフィエフが突然の脳出血で死去しました。
ソヴェトの作曲家は多かれ少なかれ共産党に翻弄されて自らの作曲活動に影響が出ていますが、プロコフィエフは共産党に迎合した作曲家と言われています。しかしながら、そういう芸術家でも少しでも気を抜くと、すぐに批判を浴びる・・・というわけで、スターリンに媚を振るようなジダーノフ批判にもさらされた事がありました。実は、そのスターリンも1953年3月5日、プロコフィエフの死の3時間後に死去しています。
プロコフィエフもロシア革命期にはアメリカに亡命した事があり、亡命途中で日本を経由して2ヶ月余を東京や京都、奈良などで過ごしていますが、あまり彼の作品に影響を与えてはいないようですね。彼の作品は、上記の理由から前衛的な手法はとらず、ロシアらしい激しいリズムと保守的な和声が軸になっているため、20世紀の作曲家としてはとても聴き易い音楽になっています。
作品の数は膨大なので、今回は人気の高いバレエ「ロミオとジュリエット」を取り上げました。
プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」は当初はハッピーエンドで書かれています。その理由は死者にバレエを踊らせるわけには行かない、という事でした。その後、振付師などとの相談で、悲劇的な結末を踊りで表現できるという事で、書き直しをしています。
全曲で2時間半にも及ぶ長い曲なので、演奏会用に組曲も編んでいますが、その組曲自体も第1から第3までの3作品あり、そのほかにも小品集を編曲しています。
演奏会では、編成の都合や人気の曲を集めたりと、必ずしもこれらの組曲に則って演奏するだけでは無いようなので、CDとかを買う場合は要注意です。
特に「モンタギュー家とキャプレット家」(第2組曲1曲目)は、のだめで使われたり(オクレールさんのテーマでした)CMで使われたりと露出の多い曲です。
« 今日の音楽 3月4日 そよ風のメヌエット | トップページ | 今日の音楽 3月6日 ハーリ・ヤーノシュ »
コメント