今日の音楽 3月3日 交響曲第3番「スコットランド」
メンデルスゾーンが最後に作曲した交響曲第3番イ短調「スコットランド」が初演されたのが1842年3月3日でした。初演はもちろんライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。?と思う方がいると思いますが、メンデルスゾーンの交響曲は出版順に番号が付けられていて、4番・5番の方が完成は早かったのですが出版が死後になった為なのです。
この曲は、コントラバスにとっては超絶技巧の連続です。だいたい、メンデルスゾーンという作曲家はコントラバスにとっては非常に優しくない作曲家です。前に書いたように「フィンガルの洞窟」という難曲をはじめどれひとつとっても苦労の連続です。何が大変なのかといえば一例として分散和音の多使用が挙げられます。見てもらってわかるように、コントラバスという楽器は弦と弦の間隔が非常に広いため移弦がなかなかスムーズに行きません。速いフレーズの最低音のE線から最高音のG線まで一音ずつ出しながら上がって行くのは、ただでさえ他の楽器の2倍ぐらいの重さがある弓なのですからとても大変です。左手だって4つの弦が五度でチューニングされるチェロ以上の弦楽器であればポジション(左手を構える場所)を移動せずに五度進行の分散和音が演奏できるのに、四度チューニングのコントラバスはポジション移動を伴ってしまうわけです。弓を持つ右手がバタバタ、左手がバタバタですから、細かい音程とか音色になんかかまっていられん!というのが、私程度のアマチュア奏者の本音です。
ところで、この曲は「フィンガル」同様イギリスに行った時に得た着想を元に作曲されています。第2楽章のスケルツォは明らかにスコットランド風の音楽を意識して作られています。が、謎というか賛否分かれるのが最終楽章のコーダ。この曲の最終楽章はずっと短調で推移します。ところが、中途半端な雰囲気で終わったと思ったら、突然長調で雄大な音楽が始まります。ここからがコーダなのですが、それまでの音楽と全く雰囲気が変わってしまうのです。
皆さんは、このコーダをどのように感じますかね。
コンヴィチュニー指揮の初演と同じゲヴァントハウス管で第4楽章です。
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