今日の音楽 2月5日 柳の歌
1887年2月5日はヴェルディ最後のオペラ・セリア「オテロ」がミラノ・スカラ座で初演された日です。ヴェルディは、この後「ファルスタッフ」というオペラ・ブッファを作曲していますが、セリアとしてはこれが最後の作品になりました。
オテロはご存知のように、シェークスピアを原作とする作品です。ヴェルディは「アイーダ」の成功の後は、年齢や晩節を汚したくないという思いからか、かなり筆が重くなっていたようで「アイーダ」の3年後に書かれた「レクイエム」から「オテロ」までは13年も空白の期間がありました。それだけに、今までの作品とは異なるレシタティーヴォとアリアの区別の無い、楽劇に近い総合芸術に近づいた作品になっています。そのために、ヴェルディの多くのオペラのように、単独で歌われるアリアが少ない作品のため、馴染みという点では、前中期の作品に比べると低いようです。
実は、私はヴェルディのオペラはどちらかというと苦手です。逆に、ヴェルディはオペラ作曲家として認められていますが、オーケストレーションは他のオペラ作曲家に比べれば群を抜いて優れていると思っています。もし、ヴェルディが管弦楽曲をもう少し多く書いていたら、バロック時代以降途絶えていたイタリアの純音楽の歴史が変わっていたかもしれませんね。
そんな少ないアリアの中で、しばしば単独で取り上げられるのが第4幕のデズデモーナのアリア「柳の歌」~アヴェ・マリアです。非常に難易度も高く哀愁に満ちたアリアで、その後祈りの音楽アヴェ・マリアに続きます。とても美しい曲ですよ。
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