今日の音楽 2月23日 交響詩「レ・プレリュード」
交響詩という形式を確立した作曲家は、フランツ・リストです。元々、標題音楽的な曲と言うのは多数存在していました。例えばベートーヴェンの戦争交響曲とか、ベルリオーズの幻想交響曲が代表的な作品です。それを『交響詩』という形式にしたのがリストで、13曲あるリストの交響詩の中でも最も有名な曲が、交響詩「レ・プレリュード(前奏曲)」です。この曲は1854年2月23日にワイマールで初演されています。
マルティーヌの詩、人生は死への前奏曲である、から着想を得たこの作品は、ナチスドイツ時代の宣伝にたびたび使われた事で、若干辛い目に合っていますが、田園風景を思わせるのどかな音楽から勇壮な行進曲まで、様々な顔を見せる名曲です。死への第一歩を踏み出す人生の始まりという重苦しい音楽に始まり、運命に挑む勇ましい行進曲へと次第に人生の意義を前向きにとらえる姿へと変化して行くわけですが、現在は国際的俳優になった渡辺謙がまだ若い頃に出演した伊丹十三監督の「タンポポ」という売れないラーメン店を救う映画で使われていたのが非常に印象的でした。
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