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2011年2月 2日 (水)

今日の音楽 2月2日 ベートーヴェンの主題によるロンディーノ

1875年2月2日は、20世紀最大のヴァイオリニストにひとりであり、作曲家でもあったクライスラーの誕生日です。
クライスラーはウィーンで生まれたユダヤ人で3歳からヴァイオリンを習いはじめ、7歳でウィーン音楽院に入学し10歳で首席で卒業、その後パリ高等音楽院に入学し12歳で再び首席で卒業した天才児でしたが、両親は彼が神童として特別な扱いを受けるのを好まず、普通の高校に入れ普通の教育を受けさせています。その後第二次大戦の影が近づきアメリカに亡命しました。

クライスラーといえば、作曲家詐称事件。現在、クライスラー作曲の「●●のスタイルによる○○」呼ばれている曲は、当時は●●作曲クライスラー編曲の「○○」という題名で演奏されていました。例えば、「ボッケリーニの様式によるアレグレット」は、当時はボッケリーニ作曲のアレグレットとされていました。編曲となっているのに、原曲が一向に世の中に出てこないためニューヨーク・タイムズの記者が証拠品の提出を求めたところ、クライスラーはこと細かく引用部分や自分の作曲部分を説明、「自作ばかりじゃ聴衆が飽きるし、また自分の名前が冠せられた作品だと他のヴァイオリニストが演奏しにくいだろう?だから、他人の名前を借りたのさ」と答えたそうです。
この問題は当時大きなセンセーションを巻き起こし、騙すつもりは無くても聴衆や音楽界を小馬鹿にしていたのかと、問題視する人も少なからずいたようです。
このような、実際には殆どクライスラーが作曲したのにもかかわらず、編曲としていた作品はバロック音楽が殆どで「クープランの様式による貴婦人」「プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ 」など14曲にも及んでいます。但し、ロマン派以降のドヴォルザークの「スラヴ舞曲」、リムスキー=コルサコフの「インドの歌」、グラナドスの「アンダルーサ」など数多くのヴァイオリンとピアノ作品への編曲を実際に残しており、古い作品の発掘にも熱心だったのは事実のようです。

上の詐称リスト(?)には出ていなかった作品で、疑惑が残る作品が、ベートーヴェンの主題によるロンディーノです。いかにもベートーヴェンっぽい曲ですが、これも原曲の存在が確認されず、今ではクライスラーの創作というのが定番です。でも、本当にベートーヴェンの作品に聴こえませんか?

クライスラー自身の演奏です。

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