今日の音楽 2月16日 フルート協奏曲(尾高尚忠)
イギリスや日本で活躍している指揮者の尾高忠明さんのお父さん、尾高尚忠さんが亡くなられたのが1951年2月16日です。
尾高家は渋沢栄一にも繋がる名家で尚忠の父親や兄弟も実業家や学者という名門一家でした。
尚忠は、ウィーンに留学し指揮法をワインガルトナーに師事するなど指揮者として活躍。日本に戻ってからは新交響楽団(N響の前身)の専任指揮者になりますが、強行スケジュールの中極度の疲労で、わずか39歳で亡くなっています。現在では、N響が尚忠の功績を讃え日本では最高峰の作曲賞尾高賞を創設して名前を残しています。
多忙のため、作曲家としての作品は多くはありませんが、遺作となったフルート協奏曲は当時フルート奏者だった森正の依頼を受けて小編成(独奏フルートとホルン、ハープ、弦楽合奏)として1948年に初演されました。ベースはあくまでもヨーロッパ的な音楽ですが、日本的な旋律も垣間見える清清しい曲です。これを大編成の曲に編曲をはじめ、完成までわずかというところで、尾高は倒れてしまいました。残された最終ページの数小節を弟子の林光が完成させて1951年3月に初演されています。
不協和音や無調性が苦手で、どうしても敬遠してしまう人でも安心して聴く事ができる曲です。
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