今日の音楽 2月15日 イワン・スサーニン
ロシア国民楽派の祖グリンカは1857年2月15日に亡くなっています。誕生日の6月1日に「ルスランとリュドミラ」を取り上げたので、今日はもう一つの代表作である、歌劇「イワン・スサーニン」です。
「イワン・スサーニン」は、17世紀の初めにロシアに侵入したポーランド兵にモスクワへの道の水先案内を強要された農夫イワン・スサーニンが、とんでもない密林の奥地にポーランド兵を誘い込み、それに気がついたポーランド兵に処刑されますが、そのおかげでポーランド兵は壊滅し皇帝の命を救ったという話。初演当時のニコライ一世の命で「皇帝に捧げし命」と命名されたこの曲は、ロシア革命後に「イワン・スサーニン」と、タイトルを変えられてしまいました。(最も、グリンカ自身は最初は「イワン・スサーニン」という題名にしていたようです)
この曲の序曲は、有名な「ルスランとリュドミラ」とはかなり雰囲気の異なる西洋的な曲です。グリンカ自身がロシア国民音楽の祖と言われてはいますが、弟子の五人組に比べれば、まだイタリア・ドイツの音楽の延長線という感じがします。このオペラもロシア語、ロシアの民話に基づく、ロシア風のメロディを使っている、という以外ではオペラ様式はイタリアオペラそのもので、音楽自体もまだイタリア・ドイツ系を基本としています。グリンカ自身幅広く海外へ旅し見聞を広げているので、良いところをまだ取り入れている時期だったんでしょうね。なので、この序曲も「ルスラン・・・」に比べてちょっとインパクトは弱いですね。
コンドラシン指揮のモスクワフィルです。
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