今日の音楽 2月13日 芸術家の生涯による交響的変容
他の作曲家の作品をピアノや他の独奏楽器用に編曲したり、オペラなどの長大な曲をパラフレーズして気軽に聴けるようにした音楽家は少なからずいます。代表的なのはリスト。ベートーヴェンの交響曲全曲、幻想交響曲、ワーグナーのオペラなどをピアノ1台や連弾に編曲するなど数々のピアノ用にアレンジした曲を残しています。その他では、クライスラー、ラフマニノフ、ハイフェッツ、サラサーテなど一流の演奏者兼作曲家に多くの編曲が残されています。
その中で、変り種のピアニストといえば、ポーランドのゴドフスキー。1870年2月13日はゴドフスキーの誕生日です。The pianist of pianistsと呼ばれるゴドフスキーは、華やかな演奏よりは正確な演奏家だったようです。ゴドフスキーの作品は単なるアレンジではなく、昔の音楽を20世紀の音楽にアレンジした曲にする事。単純な古典作品の演奏会でも自分なりのアレンジを施して演奏していたようです。
代表作はショパンの練習曲に基づく53の練習曲というピアニストにとっては過酷な曲です。ただでさえ難しいショパンの練習曲を、対声部をくっつけたり左手だけで弾かせたり右と左を入れ替えたり、2曲同時に演奏させたりという曲です。
ゴドフスキーはJ.シュトラウスの作品をいくつかアレンジして、別の音楽を作っています。「こうもり」、「酒・女・歌」、「ジプシー男爵」の「宝石の歌」などをパラフレーズしていますが、「芸術家の生涯」を扱った「芸術家の生涯による交響的変容」は10分を超える大作で、メロディは勿論芸術家の生涯ですが最初から全く異なる20世紀音楽を思わせる曲です。
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