今日の音楽 1月31日 イタリア風序曲第1番
1797年1月31日は、シューベルトの誕生日です。わずか31歳で貧窮のうちに世を去った天才作曲家シューベルトは、短い生涯の間で非常に多くの作品を残しています・・・が、作品自体が埋もれてしまっている事も多く、例えば「ザ・グレート」のように後にシューマンによって再発見されたような作品もあり、まだどこかに埋もれているかもしれませんね。
数多いシューベルトの作品の中から選んだのはイタリア序曲第1番です。昨年末の忘年会に参加された方は、「この作品は誰の作品でしょうか?」というクイズで覚えている方もいるかもしれませんが、その時に使った曲です。実は、この曲、最初から最後まで聴くと、シューベルトの作品だと一発でわかってしまう曲なんです。冒頭の和音はベートーヴェンかシューベルトのどちらか、を思わせる和音ですし、最後の部分はシューベルトの代表作のひとつである劇音楽「ロザムンデ」の序曲と全く同じ。従って、クイズで使ったのはそれとわからない中間の部分でした(笑) ところで、劇音楽「ロザムンデ」序曲ですが、「ロザムンデ」の初演に際して序曲だけが間に合わず前年に作曲された「アルフォンソとエストレッラ」という歌劇の序曲を転用しました。その後劇音楽「魔法の竪琴」の序曲を転用して現在の形で上演するようになったのですが、何者かが「魔法の竪琴」序曲の自筆譜に「「ロザムンデ」序曲と書き込んだため、非常にややこしい事になったそうです。 ところが、「ロザムンデ」が作曲されたのが1823年、「魔法の竪琴」は1820年ですが、イタリア風序曲は1817年の作曲ですから、「ロザムンデ」序曲は、イタリア風序曲の転用の転用なわけです。 シューベルトはイタリア風序曲を2曲書いていますが、当時イタリアだけでなくドイツ・オーストリアでも人気を博していたロッシーニを意識した音楽です。従って、後半にかけて盛り上がって行きますよ。 |