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2011年1月29日 (土)

今日の音楽 1月29日 ポルティチの唖娘序曲

フランソワ・オーベールという作曲家をご存知でしょうか? 日本では殆ど知られていないし、本国フランスでも、かなり忘れられた存在のようですが、グランド・オペラ形式の大掛かりなオペラ作曲家として活躍し、当時はパリ・オペラ座ではワーグナーと人気を二分するほどの作曲家だったそうです。そのオーベールの誕生日が1782年1月29日です。
オーベールがそれ程知名度が高かった証は、オペラ座に面する通りのひとつに「オーベール通り」という名前に道路が残っていることや、地下鉄の駅名にもなっていることから窺えます。

オーベールの代表作は、フラディアボロというオペラですが、この「ポルティチの唖娘」は話題豊富な曲です。
①序曲は、多くの人はどこかで聴いた事がある曲です。運動会かな?
②最終幕でのベスビオ火山の噴火の場面。まあ、これが上演を少なくした原因のひとつなんでしょうけどね。溶岩が宮殿に入り込みフェネッラ=唖娘が溶岩に身を投げるラストシーンです
③フェネッラは喋れませんので、このオペラ、準主役であるフェネッラ役は歌手である必要が無いため、バレリーナや女優が演じるそうです
④気がつかれたと思いますが、「唖」は差別用語として忌避用語なので現在は公式にはこの題名が使えません。なので、「ポルティチの娘」とか「ポルティチの物言わぬ娘」などとされる事が多いようですが、一方この曲はナポリの漁師マサニエッロが当時ナポリを支配していたスペインに対して起した独立のための叛乱という史実に基づいた作品のため、別名「マサニエッロ」と言われており、それを流用する事もあるようです。

とにかく、話題豊富な曲ですが日本でも殆ど演奏される事はありませんし、序曲も名曲というにはちょっと?な曲ですが、一度聴いてみてください。「どこか聴いた事があるメロディ」は、長調に転調した後の行進曲風のメロディです。

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