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2010年12月31日 (金)

今日の音楽 12月31日 わが友カリプソ号

1943年12月31日は、アメリカのフォーク・シンガー、ジョン・デンバーの誕生日です。
1997年10月12日に自家用飛行機の事故で死去するまで数々のヒット曲を残しています。故郷へ帰りたい、太陽を背に受けて、緑の風のアニー、バック・ホーム・アゲイン、すばらしきカントリー・ボーイ、アイム・ソーリーといったゴールド・ディスクを獲得した曲のほかに、ウェストバージニア州の州歌にもなっているロッキー・マウンテン・ハイなどがありますが、私の最も好きな曲は、オリヴィア・ニュートン=ジョンがコーラス参加している「フライ・アウェイ」と、「わが友カリプソ号」です。

わが友カリプソ号は、親友であった海洋探検家であり研究家でもあったジャック・イヴ・クストーの海洋探査船の名前で、彼と共に世界中の海を旅した船でした。曲はジョン・デンヴァーにしては非常に力強い歌で、海原を走る船を髣髴とさせる歌です。元々「アイム・ソーリー」のB面(懐かしい響きです)の曲でしたが、近年このB面の方が評価が高まっているようです。

2010年12月30日 (木)

今日の音楽 12月30日 道化師(カバレフスキー)

1904年12月30日は、カバレフスキーの誕生日です。
カバレフスキーといえば、運動会のかけっこのBGMとしてかけられる「道化師のギャロップ」が有名ですが、カバレフスキー自体の評価はイマイチですね。交響曲、オペラなどあらゆるジャンルの音楽を作曲しているのですが、残念ながら20世紀の作曲家として名前があげられるショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、バーンスタインなどに比べると殆ど知られていない作曲家です。原因はソヴェト共産党べったりだったことや、作る音楽が保守的で原題音楽的な冒険を全くしていなかったこと・・・などがあげられます。

そうは言っても、道化師のギャロップを含む、組曲「道化師」はなかなか楽しい曲です。プロローグ、ギャロップ、行進曲、ワルツ、パントマイム、間奏曲、短い叙情的な場面、ガヴォット、スケルツォ、エピローグ という10曲からなる組曲で、元は「発明家と道化役者」という児童劇の付随音楽から組曲化したものです。それぞれの曲が1分~2分程度の曲なので全曲演奏しても20分程度です

最後の曲epilogueです。

2010年12月29日 (水)

今日の音楽 12月29日 からたちの花

1965年12月29日は、日本を代表する作曲家のひとり山田耕筰の命日です。歌曲から管弦楽作品まで数多くの作品を残していますが、中でも山田耕筰の歌曲は、日本語の抑揚を変える事無く西洋音楽の曲に乗せた事で知られています。
私も、海外公演で北原白秋の詩による2つの歌のオケ伴をやりました。1曲が「松島音頭」で、もう1曲が白秋の代表作のひとつ「からたちの花」です。
「からたちの花」の詩は、山田耕筰の自伝に書かれていた、工場で働いていた時代に辛い事があるとからたちの花の垣根まで逃げて泣いた・・・という内容に基づいて、それを白秋が詩にしたものです。この詩は口語体で書かれているため、山田耕筰の曲は、その詩に合わせて小節ごとに拍子を変えてアクセントや抑揚を調節し日本語としての詩を活かしています。そのために、とっても伴奏しにくい曲でした。

2010年12月28日 (火)

今日の音楽 12月28日 道化師の朝の歌

1937年12月28日はモーリス・ラヴェルの命日です。
50代に入って軽度の記憶障害や言語障害に悩まされていたラヴェルは1932年タクシーに乗っている際に、交通事故で頭を強打しその後書く事もできなくなって行ったラヴェルは、頭の中に数々の音楽を封印したまま1937年の暮れに亡くなりました。死因は事故による何らかの脳障害というのが一般的な見解ですが、事故前からの記憶障害などの様子から、当時はまだ認知されていなかったアルツハイマーだったかもしれませんね。

ラヴェルは、わずかのオペラ、歌曲、室内楽曲以外は、ピアノ曲と管弦楽曲が非常に多い作曲家です。特に、ピアノの色彩感は独特のものがあり、モノトーンのピアノからこれだけの色彩感を感じられるのだ!と驚くような曲づくりをしています。管弦楽曲でも、同様で、特にオーケストレーションはそれぞれの楽器の特徴をつかみ無駄な音を排除する、各楽器の従来にない魅力を引き出すなどで、色彩感あふれるオーケストレーションで、管弦楽の魔術師などと呼ばれています。ピアノ曲をオーケストラ曲に編曲する事も得意で、「展覧会の絵」を有名ならしめたアレンジャーでもあり、自分のピアノ曲も数多くオーケストラアレンジしています。

ピアノ原曲のオーケストラ曲では「マ・メール・ロア」とか「高雅にして感傷的なワルツ」などが好きですが、ピアノ曲もオーケストラ編曲も両方とも素晴らしいと思うのは、ピアノ組曲「鏡」の中の「道化師の朝の歌」です。

ピアノ組曲「鏡」は1905年に作曲された5曲の組曲です。「蛾」「悲しげな鳥たち」「海原の小舟」「道化師の朝の歌」「鐘の谷」で30分ぐらいかかる曲です。その中の「海原の小舟」と「道化師の朝の歌」をラヴェル自身が管弦楽曲に編曲しています。
「道化師の朝の歌」は、母親の故郷であるスペインのバスク地方を思わせる音楽で、生き生きとした中にも道化師のユーモラスな雰囲気を感じさせる曲で、特徴である色彩感もたっぷり楽しめる曲です。
・・・のだめin Europeでちょっと有名になっちゃいましたけど・・・

ゲルギエフ指揮ロッテルダムフィルです。

2010年12月27日 (月)

今日の音楽 12月27日 詩曲

ショーソンの代表作、ヴァイオリンと管弦楽のための「詩曲」は1896年12月27日に初演されています。

ショーソンは1855年生まれのフランスの作曲家でパリ音楽院に入学したのが24歳の時という遅咲きの作曲家でした。サンサーンスのフランス国民音楽協会に参加し、この代表作を世に出したのは41歳の時、その3年後に自転車事故でわずか44歳でこの世を去っています。
ラヴェルといいフランクといいフランスの作曲家は交通事故が元で死亡という事が多かったようで、フランス人は運転が荒いんでしょうかね(笑)。ショーソンは交響曲を1曲、そのほかに「ヴィヴィアーヌ」などの交響詩や、歌曲「愛と海の詩」などが残されていますが、日本では知名度はイマイチですね。

この、詩曲はツルゲーネフの「愛の勝利の歌」に基づく交響詩として着想されましたが、この小説の神秘的な美しさを音楽に表現しているうちに、絶対音楽として完成させることになったそうです。それほど神秘的な雰囲気が強い作品です。ピアノ伴奏で演奏される事もありますが、やはり管弦楽伴奏版に比べると神秘性では何歩も劣っているような気がします。

オイストラフの演奏で前半です。

2010年12月26日 (日)

今日の音楽 12月26日 タピオラ

シベリウスは作曲家としては珍しく92歳まで生きた長命の作曲家でしたが、70歳を過ぎたあたりからは大きな曲は殆ど作曲しませんでした。そのシベリウスが最後に書いた交響詩「タピオラ」が初演されたのが1926年12月26日でした。

タピオラは、シベリウスが好んで取り上げたフィンランドの叙事詩「カレワラ」に登場する森の神「タピオ」の領土という意味ですが、「レンミンカイネン組曲(4つの伝説曲)」や「ポヒョラの娘」のように、「カレワラ」の中のストーリーを直接表現した音楽ではなくて、フィンランドの森を表現した抽象音楽です。曲は冒頭に弦楽器で演奏される「森の主題」とフルートで提示される「タピオの主題」という神秘的な2つの主題から構成されていて、その緻密な構成と完成度からシベリウスの最高傑作ともいわれています。
ただ、20分近い長い曲なのですが劇的な要素が殆ど無いので、素人的には退屈してしまいがち。。。演奏も難しく、アマオケ向きでは無いかもしれませんね

ボールト指揮ロンドン・フィルで前半です。

2010年12月25日 (土)

今日の音楽 12月25日 亡き王女のためのパヴァーヌ

ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌはラヴェルが1899年まだパリ音楽院に在籍中に作曲したピアノ曲で、その後1910年に管弦楽曲に編曲し、1911年のクリスマスに初演されました。

この曲の「王女」はルーブル美術館に所蔵されていたベラスケスのマルガリータ・テレサ・デ・エスパーニャの肖像画にインスピレーションを得て作曲されたもので、「亡くなった王女のための哀歌」ではなくて、「スペインの王女が踊ったパヴァーヌ」という意味だそうです。

冒頭のホルンの美しい旋律から始まり、ラヴェルとしては小さな編成で終始優雅に表現されています。ホルンさえしっかりしていれば、アマオケでも十分可能なレベルの曲ですね(笑)

その後交通事故にあって記憶障害になってしまったラヴェルが、この曲を聴いて「この曲はとても素晴らしい。誰が書いたんだろう」と言ったという有名な逸話も残っています。
ラヴェルらしい色彩感は無いですが、逆にモノトーンの美しさが際立つ曲だと思います。

小澤征爾指揮ボストン交響楽団です。

2010年12月24日 (金)

今日の音楽 12月24日 オー・ホーリー・ナイト

クリスマスが近づくと、山下達郎、稲垣潤一、ワム、ジョン・レノンなどのクリスマスの歌があちこちで流されますが、私の好きなのは浜田省吾の「Midnight flight」、サザンの「クリスマス・ラヴ」、メル・トーメの「ザ・クリスマス・ソング」(色んな歌手がカヴァーしてます)あたりですが、クラシックの世界でも色々な曲がありますね。クリスマス限定の曲では無いのですが、クリスマスに良く流される曲というのもあります。「くるみ割り人形」や「ヘンゼルとグレーテル」の夕べの祈り、シューベルトやグノーのアヴェ・マリア、ヘンデルの「ハレルヤ」などが代表例です。

そんな中で、クリスマス・キャロルとして歌われている曲の中には大作曲家が作った曲もあります。最も有名なのがメンデルスゾーンの「天には栄え」(Hark! The Herald Angels Sing)で、賛美歌にもなっています。この曲は「グーテンベルク祭のための祝典歌」の中の曲に後の歌詞がつけられたものだそうです。

もう1曲、バレエ「ジゼル」で有名なアダンが作曲した「オー・ホーリー・ナイト」は元々クリスマス用に作曲された「クリスマスの賛美歌」で、世界的に知られている曲で、ラジオの音楽番組で最初に演奏された曲である、という説もあるようです。

セリーヌ・ディオンです。

2010年12月23日 (木)

今日の音楽 12月23日 聖母(マドンナ)の宝石間奏曲

ヴォルフ=フェラーリの歌劇「マドンナの宝石」が初演されたのが1911年12月23日です。特に知られているのが第1幕と第2幕の間奏曲。美しく物悲しい旋律と、「聖母」という言葉から宗教がらみの曲かと思っていたのですが、実は悲恋物語でした。

舞台はナポリ。自由奔放な女性マリエッラは秘密結社の首領ラファエッロに恋していましたが、言い寄ってくるのは別の男ジェンナロ。マリエッラはジェンナロに「聖母の像にはめ込まれている宝石を盗んで来たら、あなたの女になってやる」とたきつけ盗み出させます。まんまとマリエッラを手に入れたジェンナロでしたが、それも束の間。マリエッラはラファエッロに言い寄るがふられてしまいます。盗みをした罪悪感にさいなまれるジェンナロは、それを返す事にしますが、その間にマリエッラは自殺してしまい、それを知ったジェンナロも胸に剣を突き立てる・・・という内容。

ヴォルフ=フェラーリは数多くのオペラのほかに、器楽曲も作曲していますが、今では演奏されるのはこの曲ぐらいですね。

2010年12月22日 (水)

今日の音楽 12月22日 交響曲第5番「運命」

何をいまさら・・・という曲ではありますが、1808年12月22日ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で行われたコンサートは、今から考えると垂涎もののコンサートでした。交響曲第5番、第6番(初演時は第5番が田園で、運命は第6番だったそうです)、ピアノ協奏曲第4番、合唱幻想曲などの初演コンサートでした。まあ、あまりに盛りだくさん過ぎたのか初演コンサート自体は失敗だったようです。暖房も無いホールで合計4時間もの長丁場、挙句の果てには、最後の合唱幻想曲は演奏途中で混乱し、初めからやり直すというオマケつきだったのですから無理も無いですね。

「運命」という標題は、冒頭の「ジャジャジャジャ~ン」の音についてベートーヴェンが「運命はかくの如く扉を叩く」と言ったとか言わなかったとか、諸説があるようですが、わずか5小節の動機が全楽章を支配するという今までに無い手法を使った画期的な曲でした。この曲、あまりに有名なためか謎が非常に多い曲で、様々な研究家が取り上げています。最初の動機ですら指揮者によって異なる解釈で演奏しています。二分音符につけられたフェルマータの扱いも、1回目は無しというパターン、1回目は短めというパターン、1回目も2回目も普通にフェルマータというパターン・・・まあ、1回目は2拍にフェルマータ、2回目は4拍にフェルマータですから、それなりの長さ(聴いた感じ、1回目短め、2回目長めに聴こえる)というのが、今は多いようですね。

前にもどこかで書きましたが、こんな有名な曲ですが、私は大学の時に一度演奏しただけ(だったと思う)です。勿論四弦バスです。第2楽章の31小節、はじめてffが出てきたあとの終止形でチェロとバスだけが第二下線のCの音を2拍目にはみだして弾く場所です。勿論、コンバスは記譜法でチェロより1オクターヴ低い音(平均律で考えれば28.1Hzぐらい=殆ど低周波治療器具に近いです)ですが、これが四弦バスだとチェロとユニゾンになってしまう。五弦でこのコントラCを弾いてこそコンバスの価値があるわけで・・・折角五弦買ったんだからやりたい!曲のひとつです。
で、謎の話ですが、これがその後80小節めに同じパターンで出てくるときには何故か記譜上チェロより1オクターヴ高く記譜してある。つまりユニゾンとして書いてある。1回目と2回目をわざわざ違えているのか、それとも間違いなのか・・・謎のひとつです。で、この音、ffのままなのですが、楽器がチェロバスだけになるので、その前のffよりやや大きめに弾くのが慣例です。。。が、わざわざ楽器の数を極端に減らし、しかも強弱記号で大きく弾け、という記譜が無い以上、この音だけを強調するのは間違い、ベートーヴェンは全体の音が小さくなるのは承知で書いている、という事で、一切強くせずに演奏するのもスマートだ!という理屈も合わせて有りのようです。

つまらん話で長くなりました。
この曲9つの音源を持っています。
クライバー ウィーンフィル
ライナー シカゴ響
ラトル ウィーンフィル
ガーデナー レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
ティーレマン フィルハーモニア管
ヴァント 北ドイツ放送響
ハイティンク ロイヤルコンセルトヘボウ
バーンスタイン ウィーンフィル
ショルティ シカゴ響

2楽章の例の場所、2回目も同様にCの音を下げているのは4つでした。
最も強調して演奏しているのはティーレマン、次がショルティ。最もあっさりと演奏しているのはラトルでした。
・・・ちょっと、オタクの世界だけど・・・

サロネン指揮ロサンゼルス・フィルで第2楽章です。

2010年12月21日 (火)

今日の音楽 12月21日 詩曲(フィビヒ)

チェコの国民楽派の作曲家といえば、スメタナ、ドヴォルザーク、ヤナーチェクあたりを思い浮かべますが、もうひとりフィビヒ(フィビフとも言う)という作曲家がいます。1850年12月21日は、そのフィビヒの誕生日です。

フィビヒは当時オーストリア帝国の支配下にあったボヘミア地方の生まれでチェコの民族独立の気運が高まった時代の作曲家でした。作曲技法は明らかにドイツロマン派の系譜でしたが、チェコの民族舞踏や伝説に基づいた旋律を多く使っておりチェコ国民楽派の作曲家として位置づけられています。

代表作とされているヴァイオリンとピアノのための「詩曲」は、実はフィビヒの作曲というよりは、フィビヒの原曲による「詩曲」というのが正しい曲です。最も有名なのがヤン・クーベリックによる編曲のものですが、これについては作品番号39aがつけられており、フィビヒ作曲クーベリック編曲という事になっています。それでは、作品番号39は?というと、管弦楽のための牧歌「黄昏」という曲です。では、この曲をヴァイオリンとピアノに編曲したものが「詩曲」かというと、実は違います(ややこしい)

フィビヒは、「黄昏」の中間部で使った旋律がお気に入りのようで、これを別の作品で使っています。アネシュカという作曲の弟子であった女性との間の恋愛日記として作曲された「気分、印象と追憶」という4つのピアノ曲集があります。このうちの作品番号41という171曲もあるピアノ曲集の139番目の曲「ジョフィーン島の夕べ」という曲が、「黄昏」の中間部を使った曲で、この曲を元にして編曲されたのが「詩曲」というわけです。
非常にロマンチックで、どちらかといえばチェコはあまり感じさせない曲です。

管弦楽版があったので、貼り付けておきます。

2010年12月20日 (月)

今日の音楽 12月20日 映画「スティング」の音楽

1922年12月20日は映画監督ジョージ・ロイ・ヒルの誕生日です。ジョージ・ロイ・ヒルは決して多くの作品を作った監督ではありませんが、忘れ去られたものへの哀愁を優しい目線で描いた監督でした。アメリカ開拓時代後期のならず者を描いた「明日に向かって撃て」、少年と少女の甘い初恋を描いた「リトル・ロマンス」、空を飛ぶ事に夢を求めた男たちを描いた「華麗なるヒコーキ野郎」などの作品を残していますが、中でも代表作は「スティング」です。大掛かりなイカサマの手口と、あっと驚くエンディングは、犯罪ではあるけれど、何かスカッとする物を感じさせる映画でした。
その中で使われている音楽がマーヴィン・ハムリッシュによって編曲されたラグタイム王スコット・ジョプリンの音楽。スコット・ジョプリンは19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した作曲家・ピアノ奏者ですが生前はあまり評価されておらず、ハムリッシュがこの映画で取り上げた事で、脚光を浴び、死後半世紀経てからグラミー賞を受賞するようになりました。軽快だけれど哀愁を帯びた音楽が、この映画にピッタリでした。

中でも有名なのが、「ジ・エンターティナー」ですが、今日は「ソラスsolace」という曲です。古き良き時代を思わせる優しい曲です。

2010年12月19日 (日)

今日の音楽 12月19日 バラ色の人生

1915年12月19日は、フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフの誕生日です。彼女の生涯は謎に包まれていて、数々の伝記や映画が作られていますが、その殆どはかなりの想像が含まれているようですね。
私も、「愛の讃歌 エディット・ピアフの生涯」という映画を映画館で見た記憶があります。父親の影響で小さい頃から娼館の客と接触を持ったり、ナイトクラブのオーナー殺害の疑いで逮捕されたり、ドラッグにおぼれたりと多難な生涯を送ったピアフは癌で47年の生涯を終えました。

とは言っても、ピアフはフランスで最も愛された歌手で、彼女の葬儀の時にはパリの交通が完全にストップしてしまった、と言われています。愛の讃歌と並ぶ彼女の代表曲がバラ色の人生(La vie en rose)。作曲はルイ・グリューミェ、作詞はピアフ自身で、その後イヴ・モンタン、ディーン・マーチンをはじめ数十人の歌手にカヴァーされ、多くの映画にも使われています。

歌詞は情熱的な恋の歌。バラの花に埋もれてあなたを感じていたいという内容の歌です。

2010年12月18日 (土)

今日の音楽 12月18日 水のいのち

1913年12月18日は、日本の作曲家高田三郎の誕生日です。高田三郎といえば、「水のいのち」「心の四季」といった合唱曲の作曲家として名前が残っていますが器楽曲や管弦楽曲も残しています。

そうは言っても、代表作は「水のいのち」。雨、水たまり、川、海、海よ、の5つの曲からなる合唱組曲で、雨が降って、水がたまり、川となって流れ、海に注ぎ、それがやがて水蒸気となり、再び雨となって地上に降り注ぐという水の永遠のいのちを歌った作品で角田喜久雄の詩もとても素晴らしいです。
「水のいのち」はTBSの委嘱で作られた作品で当時としては異例の混声・女声・男声が全て出版された合唱組曲で、今でも日本の合唱曲としては上位の売上だそうです。

最後の曲「海よ」です。

2010年12月17日 (金)

今日の音楽 12月17日 交響曲第7(8)番(シューベルト)

シューベルトという作曲家は、大変に気紛れだったようです。作り始めた作品を途中で放り出す事は日常茶飯事。現在シューベルトが完成させた交響曲は7曲ですが、未完成で残っている曲は6曲もあります。
つまり、シューベルトの未完成交響曲は実の所6曲あるのですが、未完成交響曲といえばこの第7番の事を指します、というか、古今東西の作曲家にも未完成の交響曲はたくさんありますが、それでも未完成交響曲はシューベルトなんですね。

多くの未完成作品は作曲家が完成前に死亡してしまったため、未完成で終わるというのが常識的な話です。未完成作品で有名なものには、モーツァルト「レクイエム」、マーラー「交響曲第10番」、プッチーニ「トゥーランドット」などがありますがいずれも死によって完成されなかったものです。しかし、シューベルトの未完成は1822年(死の6年も前)に作曲されており、更にその後第8番「ザ・グレート」という交響曲を完成させているために遺作ではありません。

それゆえに、何故シューベルトがこの第2楽章で作曲をやめてしまったか、という謎が研究されていますが、1、2楽章が3拍子で、スケルツォも3拍子なので行き詰ってしまった、とか、あまりに2楽章までの出来が良すぎたので、3楽章のスケッチを開始したものの、逆に3楽章が無い方が良いと判断したなど諸説あります。が、本当のところは、シューベルトの癖で、途中で他の事を始めて忘れてしまったのかもしれませんね。シューベルトに未完成の曲が多いのは、シューベルトの交響曲は演奏目的がはっきりしないで書いていたため、締め切りに追われるわけでも無く、必要性に駆られていなかったからだと思います。

この曲はバス弾きにとっては非常にやりがいがあるが、重苦しくのしかかる曲です。

ワルター指揮ニューヨーク・フィルハーモニックで第2楽章後半です。

2010年12月16日 (木)

今日の音楽 12月16日 交響曲第9番(ベートーヴェン)

クラシック音楽界で最も偉大な作曲家のひとり、ベートーヴェンが生まれたのは1770年12月16日頃とされています。17日に洗礼を受けたという事しかわかっていないので、「頃」となっているようです。年末、ベートーヴェンと言えば第九でしょう。
ベートーヴェンは、古典派の集大成からロマン派への架け橋となる存在で、宮廷や貴族のパトロンとして様々な行事に向けて曲を作っていたそれまでの作曲家から、大衆へ向けて自分の表現したい音楽を発表するというスタイルへの変革を行った意味でも大転換を行った存在であり、その後のブラームスを筆頭とした数多くの作曲家に影響を与えた作曲家でもありました。

日本では第九が年末に異常なほど集中して演奏されるという慣習がありますが、諸説あるものの、戦後困窮していた演奏家の為に、人数が多く必要で、観客動員が容易な曲という事で第九が演奏されるようになったというのが定説のようです。いずれにしても、終楽章の「歓喜の歌」がそれまでの1年を振り返り、歓びをもって新年を迎えるというぴったりの内容でもあったために定着したんでしょうね。

上に書いたように、第九は「歓喜の歌」を模索し最後に「歓喜」を見出し高らかに歌うというストーリー性の高い音楽になっています。
第1楽章は、空虚五度(完全五度のみで構成される)の神秘的なメロディから始まり力強い音楽で構成されます。葛藤を表しているといわれています。
第2楽章は、通常は緩徐楽章ですが、この曲では第3楽章と入れ替わってスケルツォを配しています。ここでは文字通り滑稽さを表しています。喜び=嗜虐的な楽しさか?という提起です。
第3楽章は瞑想、心の平穏を表す美しい緩徐楽章です。
そして、終楽章のチェロ、コントラバスのレシタティーヴォで、これらの楽章を再現し、今までの曲は本当の喜びの歌では無い。として、歓喜の歌に導いているわけです。
従って、第4楽章のはじめは「歓喜の歌」への導入から「歓喜」の提示になります。そしてバリトンのソロで「みんなでこの歓びの歌を歌おう」と導かれ、本当の歓喜の合唱になるわけです。

そういうわけで、第九は長くて3楽章までは退屈という方もいらっしゃると思いますが、この退屈な(笑)第3楽章までが無くて歓喜の歌は有り得ないという事です。従って、よく終楽章だけ単独で演奏する場合がありますが、そういう場合は本当は途中の「歓喜の合唱」部分から演奏するのが正しいのかもしれませんね。だって、「こんな調べではない!」とチェロ・バスやバリトンソロが否定する部分の意味が無くなっちゃいますから。

アシュケナージ指揮のNHK交響楽団で第4楽章冒頭です。

2010年12月15日 (水)

今日の音楽 12月15日 グランホタ

今日は、「アルハンブラ宮殿の思い出」で有名なタルレガの命日です。1909年12月15日ですから、昨年がちょうど没後100年でした。
タルレガは、ギターのサラサーテと異名をとる程のギターの名手だったそうでバロック以降クラシック音楽から忘れ去られていたギターを独奏楽器として復活させた作曲家としても知られています。
作風はロマン派音楽を基調にスペインの民族舞踏の要素を取り入れたものですが、そのほかにショパンやベートーヴェンなどのピアノ曲をギターに編曲したものなども多く作っています。

グランホタは、タルレガの作品の中でも最も規模の大きい作品です。ホタは、スペイン北部の民族舞踊でカスタネットやタンバリンを伴った3拍子の激しい踊りです。タルレガのグランホタは演奏会用のギター作品なので打楽器は登場しませんが、後半は打楽器を模したような奏法で激しい踊りを表現しています。しっとりとしたアルハンブラ宮殿の思い出も良いですが、こういうスペイン舞踏の激しさを表現した作品も良いですよ。

2010年12月14日 (火)

今日の音楽 12月14日 ローマの松

色彩感の強いオーケストレーションと言うと、思い浮かぶのがラヴェル、リムスキー=コルサコフ、レスピーギです。中でも最も鮮やかな色を感じさせるのがレスピーギかもしれません。それは、フランス、ロシアとのお国柄の違いかもしれませんけど。。。

レスピーギのローマ三部作の中間に位置する交響詩「ローマの松」は1924年12月14日にローマのアウグステオ楽堂で初演されました。ひたすら派手なオーケストレーションで騒がしく終わる「ボルゲーゼ荘の松」、古代ローマ時代の迫害され亡くなって行った初期のキリスト教徒の悲しみと祈りを描いた「カタコンブ付近の松」、透明感溢れる幻想的な雰囲気の「ジャニコロの松」、古代ローマの軍隊の進軍の様子を描いた「アッピア街道の松」の4曲からできていて、ただ単に「松」を描写したものではなく、松を通して古代ローマへの郷愁と幻想を表現した曲と言われています。

ウチのオケでも、やりたい曲というとしばしば上がってくるのが、このローマ三部作ですが、いつも編成の点で落っこちてしまいます。
ローマの噴水は、ハープ2台、オルガン、ピアノ、チェレスタと、まだマシかもしれませんが、
ローマの松はオルガン、ピアノ、チェレスタ、ハープのほかにビューグルとかナイチンゲールのレコードとか・・
ローマの祭りに至っては、打楽器奏者が10人も必要だったり古代トランペットが必要だったり・・
で、いつも二の足を踏んでます。

本音では、一番盛り上がる「アッピア街道の松」はコントラバスは結構盛り上がらない譜面を、一所懸命盛り上がって弾かなければならないので、ものすごく疲れますけど・・・

カラヤンの指揮で第4曲「アッピア街道の松」です。

2010年12月13日 (月)

今日の音楽 12月13日 交響曲第2番「復活」

バシストにとって、数ある美味しい曲の中でも「目立つ」という意味ではトップクラスの曲が、マーラーの交響曲第2番「復活」です。コントラバスの特性を発揮している・・という意味では違うのかもしれませんけど。前に書かれた「巨人」がコントラバスをほぼ打楽器扱いしているのとはエライ違いです。

「復活」の純粋な器楽だけの楽章第1~第3楽章は1895年3月4日に初演されていますが、全曲初演は12月13日、マーラー指揮のベルリン・フィルでした。まあ、こういう曲ですから反応は様々賛否両論だったようです。

第1楽章の冒頭から暫くはコンバスの独壇場。第1主題が出てきても蹴散らして別のメロディを弾くわけです。第3楽章のスケルツォもトリオの部分は裸になって・・・しかも2divの掛け合いという難しいところがあったり・・・。でも、個人的に好きなのはやっぱり後ろの2つの楽章です。特に第4楽章が好きです。殆ど弾くところはありませんけど。(パート譜は、わずか4段、音符が書かれているのは15小節だけ)声量豊かなアルトのソロをじっくり聴くには音符が無い方が良いです。このアルトのソロも音域が低いので聴かせるのは結構難しいみたいですね。もっとも、この第4楽章は、「子供の不思議な角笛」の「原光」をそのまま使ったものですから、じゃぁ、「角笛」を聴けば・・と言われるかもしれませんが、この長い曲の中で聴くのが良いのです。

残念ながら、私が演奏したのは4弦の時代。1オクターヴ上げてはいけません、とドイツ語で書かれたマーラーの指示を無視して弾いていたので、5弦で弾きたいですね。

というわけで短い第4楽章だけです

今日の音楽 12月12日  ラ・ヴァルス

1920年12月12日は、ラヴェルのラ・ヴァルスが初演された日です。
ラヴェルの曲は、本当に名曲が多いんですけど、難易度や特殊楽器、ハープが複数台必要だ・・・などの理由で、アマオケではなかなか取り上げられる機会が少ないですね。
ウチのオケも、候補に上がっては「腕前」「お金」などの面で最終的には落選というパターンが多いです。その点、「ラ・ヴァルス」はハープが2台必要であるという難点はあるものの、他は基本的な3管編成だしメロディも親しみ易い上に派手なので、比較的演奏される機会が多いですね。

コントラバスは冒頭から35小節にわたって「モヤモヤ」を弾かされるわけで、しかもそれが一番太いE線・・・かなり指が疲れます。それが終わったところで、グリッサンドの連続。。ここで練習不足のバシシトは指が痛くなるわけです。(但し、3divの3つ目のパートはpizzなので例外)

ワルツ自体は、ウィンナワルツの雰囲気を抱いていますが、冒頭のモヤモヤや、途中でリズムが狂ったようになったり音が途切れたりするのは、当時のオーストリアの混沌とした情勢を表現する事で、もはやウィナワルツの時代のウィーンは終わったという事を表現しているとか・・・

個人的にはラヴェルで最も好きなオケ曲は「道化師の朝の歌」なんですが、ラ・ヴァルスとかマ・メール・ロア、ダフニスとクロエといったバレエ音楽も大好きです。

ミュンシュ指揮ボストン交響楽団です。

2010年12月11日 (土)

今日の音楽 12月11日 幻想交響曲

演奏会本番で、殆ど緊張しない私としては本番ステージの事故は非常に少ないのですが(音程はずしたのが事故だとすると、毎回数百回の事故はあります( ̄∇ ̄;))、弓を忘れてステージに登場した・・などの物理的な事故を除けば、今まで2回ヤバかった事があります。1回は、いつだったかのカバレリアルスティカーナの間奏曲(この前のFPOBではありません)で全然関係ない所でpizzを弾いた。そしてもうひとつが、幻想交響曲。第5楽章で金管に続いてコントラバスだけで怒りの日のメロディを弾くところ。金管との間にヴァイオリンの主題が挟まるので微妙に間が空くのですが、間違えて2小節早く飛び出した・・・トップだったので他のコンバスメンバーも混乱、危うく崩壊しかけたという苦い思い出があります。が、幻想はやっぱり楽しい曲です。1803年12月11日はベルリオーズの誕生日。幻想交響曲は、後世に影響を与える新しい試みが満載の曲です。

曲自体が、後の交響詩へと発展していく完全なる絶対音楽である事以外に、オーケストレーションの鬼才と言われたベルリオーズは様々な工夫をしています。
①コールアングレの使用
②バスクラリネットの使用
③Esクラリネットの使用
④ファゴット4本採用
⑤コルネットの使用
⑥オフィクレード(現在はチューバで代用)を2本使用
⑦複数奏者によるティンパニ
⑧弦楽器の編成を指定
⑨ハープの複数台使用
⑩鐘の使用
⑪オーボエのバンダ
⑫コル・レーニョ奏法
⑬ティンパニの奏法(マレットの硬さも指定)の指定
ものすごい先進的な曲だという事がわかると思います。

ここからが、本題です。
我々が普通に手にするスコアやパート譜では、コルネットは第1楽章と第4・5楽章に登場し、第2・3楽章はtacetになっていますが、ベルリオーズは1844年の演奏で、第2楽章にコルネットのオブリガードを採用しています。通常は演奏される事が殆ど無かったのですが、近年、この譜面を採用して録音する指揮者が増えているようです。
私の持っている音源は、
ミュンシュ-パリ管
ミュンシュ-ボストン響
ガーディナー-オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
パレー-デトロイト響
ミュンフン-パリ・バスティーユ管
クレンペラー-フィルハーモニア管
ですが、第2楽章にコルネット付きの譜面を使っているのは、ガーディナー、ミュンフン、クレンペラーです。
この中で特にコルネットを目立たせているのがミュンフン版。ミュンフンの場合、第4・5楽章もコルネットが非常に目立ちますね。ミュンフン版を聴けば第2楽章のコルネットがどのように使われているかがはっきりわかります。(クレンペラーのものも結構目立ちますが、後半のメロディを吹くところがあまり目立ってない)
まあ、個人的には第2楽章の舞踏会にはコルネットが無い方がすっきりしていて好きではありますけど・・・

幻想は、演奏の数だけ違いが楽しめるという曲です。100人の指揮者が振れば100通りの幻想を聴く事ができますので、是非色々な指揮者の物を聴く事をお勧めします。それから、パレーの演奏はちょっと違う世界の曲みたいなので、参考に一度聴いてみてください。

ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団で第2楽章です。

2010年12月10日 (金)

今日の音楽 12月10日 ヴァイオリン・ソナタ(フランク)

1822年12月10日は、ベルギー生まれの作曲家セザール・フランクの誕生日です。13歳の時に家族と共にフランスに移住しパリ音楽院で学びました。リストやショパンにもその才能を認められていたようですが、つつましい生活を送り宗教音楽などを中心に手がけていました。
その後、サン=サーンスやフォーレと共にフランス国民音楽協会の設立に加わりましたが、作曲活動でめざましい活躍をしたのは1880年代に入ってから。特に亡くなる前の5年間で、交響曲ニ短調、交響詩「プシュケ」、交響的変奏曲、ヴァイオリンソナタ、弦楽四重奏曲など代表作の多くを作曲しています。

フランクと言えば、楽章を跨ぐ主題を登場させて曲の統一性をはかる循環形式を特徴とする作品と、オルガン的な響き。その代表作品がニ短調の交響曲です。
もう1曲、循環形式を使った傑作が、ヴァイオリン・ソナタです。フランス系音楽のヴァイオリン・ソナタでは最高の傑作と言われているこの曲は、4つの楽章から出来ていて、循環形式と、ピアノがヴァイオリンと対等である事が特徴です。
第1楽章の冒頭が属九(E7(9))の和音から始まり神秘的な響きの中で、ヴァイオリンが主題を演奏されます。第2楽章は高度な技術を要求される情熱的な楽章、第3楽章は幻想曲のような雰囲気を持つ楽章です。最終楽章は、それまでのやや重い雰囲気を破り一気に輝かしい音楽へと導きます。

個人的には、数あるヴァイオリン・ソナタの中でも好きな曲のひとつです。

クリスチャン・フェラスのヴァイオリンで最終楽章です。

2010年12月 9日 (木)

今日の音楽 12月9日 バレエ「ガイーヌ」

1942年12月9日ロシアのキーロフバレエ団によって初演されたのが、ハチャトゥリャンのバレエ「ガイーヌ」です。バレエ自体の内容はソ連の集団農場「コルホーズ」(懐かしい言葉だ・・・)の最終的な成功を描いた愛国心を鼓舞するようなあまり感心できる内容ではありませんが、(西欧では上演禁止になっていたらしい)数回の改訂を加えられて、愛国心よりは「愛」の方に比重を置いた作品になっていきました。

数ある曲の中で最も有名なのは「剣の舞」ですが、そのほかにも、調子の良い「レズギンカ」や、しっとりとした「子守歌」、2001年宇宙の旅でも使われていた「ガイーヌのアダージョ」などの名曲が詰まっています。

そんな中で、今日取り上げるのは、「ゴパーク」という3分程度の曲。この曲は原典版には無くて、後の改訂の時に付け加えられ、組曲版では第3組曲の最後(剣の舞の後)になる曲です。ゴパークというのは、ウクライナ語ではホバークとも言うそうですが、ウクライナやベラルーシの民族音楽で非常に速いテンポの2拍子の舞曲。ムソルグスキーの歌劇「ソロチンスクの市」でも取り上げられています。
実は、このハチャトゥリャンの「ゴパーク」は、初めて弾いた演奏会のアンコール曲でした。つまり、FPOの第7回定期演奏会のアンコール曲だったわけです。だいたい、クラシック音楽をあまり知らなかった(メインのベト7だって、FPOに入ってから初めて聞いた曲)私は、ハチャトゥリャンは剣の舞しか知らなかったのですが、このゴパークのテンポの速さに面食らって殆ど何を弾いたのかわからないうちに終わっちゃった記憶があります(笑)
とても愉しい曲なので、ちらっと聴いてみてください。

2010年12月 8日 (水)

今日の音楽 12月8日 交響曲第5番(シベリウス)

1865年12月8日はシベリウスの誕生日です。
シベリウスは膨大な量の管弦楽曲を作曲しています。番号つきの7つの交響曲とクレルヴォ交響曲、フィンランドの叙事詩「カレワラ」に題材を取った「レンミンカイネン」「ポホョラに娘」「タピオラ」、その他のフィンランドの民話や自然を題材にした「カレリア」「エン・サガ」、その他有名な「悲しきワルツ」を含む「クオレマ」、「フィンランディア」など・・・
その中で、何を取り上げようか迷いました。あまりに有名な曲(フィンランディア、トゥオネラの白鳥、交響曲第2番、ヴァイオリン協奏曲など)を外すと、個人的に好きな交響曲第1番、夜の騎行と日の出とかなんだけど・・・

結局、シベリウスの生誕50周年の祝賀演奏会として1915年12月8日に初版が初演され、その1年後の12月8日に改訂稿が演奏された交響曲第5番にしました。腫瘍が発見され死を身近に感じるようになったシベリウスが作曲したのが第4番で、腫瘍が良性のものとわかり死の恐怖から解放された喜びが一気に花開いた曲が、この第5番です。30分足らずの短い3楽章の曲ですが、第1楽章の後半がスケルツォになっており事実上は4楽章構成になっています。とにかくスケールの大きい雄大な曲で、その明るさはシベリウスの中でも特筆される曲です。最終楽章のホルンの鐘の音のようなフレーズに乗って演奏される田園的なフレーズはゆったりとした気持ちを与えてくれます。それでも、やっぱりシベリウスらしさは失われていません。ホント良い曲ですよ!

ところで、終わりそうで終わらない曲といえば、「運命」が代表格ですが、この曲も結構しつこいですよ。時間的には非常に短いですけど、タメ系の指揮者だと、演奏する方も疲れそうです。

サロネン指揮スウェーデン放送交響楽団で第3楽章です。

2010年12月 7日 (火)

今日の音楽 12月7日 幻想序曲「テンペスト」

チャイコフスキーは、シェイクスピアがお好きのようです。幻想曲とか幻想序曲とよばれる標題音楽をいくつか作曲していますが、その半分はシェイクスピアの戯曲を元にしたもの。最も有名な「ロミオとジュリエット」と、「テンペスト」「ハムレット」の3作品です。
「テンペスト」は1873年12月7日にモスクワで初演されています。交響曲第2番が初演された年の年末です。

初期のチャイコフスキー作品としては、非常に評価の高かった作品で、フォン=メック夫人が、この曲を聴いて感動しチャイコフスキーに援助を申し出たというのは有名な話。後の作品に比べると劇的な雰囲気は若干乏しく平板ですが、初期の傑作のひとつであることには間違いありません。チャイコフスキーの最高傑作のひとつと言われている「ロミオとジュリエット」は、これ以前の1870年に作曲されていますが、現在演奏されている決定稿になったのは1881年で、1870年の初稿では劇的要素に乏しかった事を考えると、まだまだ発展途上だったんでしょうね。

曲自体は、物語の最初の嵐の場面と、ミランダとファーディナンドの愛の描写に留まっており、物語全体を表現したものではありませんが、劇的要素に乏しいと言ってもチャイコフスキーの事。ドラマチックなオーケストレーションの一端を聴かせてくれます。30分近くかかる曲で、長いのが難点かな・・・

インバル指揮のフランクフルト放送響で前半です。(これしか見つからなかった)

2010年12月 6日 (月)

今日の音楽 12月6日 金曜ロードショーのテーマ

ヲイヲイ!今日は月曜日だぞ、という突っ込みは無しでお願いします。
1950年12月6日は、久石譲の誕生日。久石譲は勿論ペンネームですが、ある尊敬するミュージシャンに引っ掛けて作った名前だそうです。誰でしょう? 答えは後にしておいて・・・
久石譲といえば、宮崎アニメには欠かせない作曲家です。宮崎アニメの中では、「天空の城ラピュタ」の「君をのせて」、「風の谷のナウシカ」の「鳥の人」、「千と千尋の神隠し」の「ふたたび」・・・好きな曲がいっぱいあります。その他にも、大林宣彦や北野武の映画でも欠かせない存在になっています。
他にも、数々の作品を手がけ、ワールド・ドリーム・オーケストラの武道館公演など、現在の日本で最も有名な音楽家のひとりですね。

今日選んだのは、日本テレビ系列で放映されている「金曜ロードショー」のオープニングテーマ曲"Cinema Nostalgia"です。この曲は1997年から今年の3月まで12年間放送されていた第2代目の曲で、バックのアニメは宮崎駿監督作品でした。6分程度の曲ですが、勿論TVで使用されていたのは40秒程。なかなか最後まで聴く機会も無いだろうと思って取上げました。

ところで、名前の件、尊敬する音楽家はクインシー・ジョーンズです。久石=クイシだそうです。
久石譲の代表的な作品は、彼の「WORKS」というCDを聴く事をお勧めします。今は「WORKSⅢ」まで出ています。ジブリ音楽のほか「水の旅人」「ふたり」「HANABI」などサウンドトラックと違った編曲で聞けます。

2010年12月 5日 (日)

今日の音楽 12月5日 レクイエム(モーツァルト)

1791年12月5日は、モーツァルトの命日です。死因は色々と推察されていますが、ご承知の通りモーツァルトの遺骸は共同墓地に埋葬され、その場所も不明という事で実際のところはわかっていません。

そのモーツァルトが死の直前に作曲していたのがレクイエム(死者のためのミサ)だったという事もモーツァルトの死を謎めいたものにする要因だったようです。しかも、このレクイエムが匿名の依頼主から前払いで依頼されたものであることから、サリエリが依頼主だった、死の世界からモーツァルト自身のためのレクイエムの作曲依頼だったなどという諸説が流布されていたようです。今では依頼主はヴァルデック伯爵という田舎の領主で、彼の若くして亡くなった夫人の為に依頼したという事がわかっています。

ところで、このレクイエムは未完のまま終わっています。モーツァルト自身がオーケストレーションまで完成させたのは第1曲「レクイエム」だけで第2曲から第8曲「ラクリモーサ」の8小節までスケッチを元に後の音楽家が補筆しています。それ以降は、弟子たちが構想を元に作曲したなどモーツァルト作曲とは言いがたいものです。
中でも、直弟子のジュスマイヤーが補筆、加筆したもの(ジュスマーヤー版)が現在では一般的に演奏されていますが、その他にも数多くの版が発表されています。
ところが、ジュスマイヤー自身は作曲家としてはかなり未熟だったため、加筆部分についてはかなり劣る作品という評価もされており、ひとつの作品としての完成度は他の版にも優れたものがあるようです。

ベームの指揮で、第3曲「ディエス・イレー(怒りの日)」です。

2010年12月 4日 (土)

今日の音楽 12月4日 ヴァイオリン協奏曲(チャイコフスキー)

誰が決めたのか知りませんが、三大ヴァイオリン協奏曲というのはベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーンの曲で、四大協奏曲になるとチャイコフスキーが加わるそうですが、まあ確かに西欧文化の洗練された曲に比べるとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は確かに田舎臭いのかもしれませんけどね。。。
チャイコフスキーの時代のロシアの高名な演奏家というのは、余程保守的だったらしく、ピアノ協奏曲第1番をモスクワ音楽院院長のニコライ・ルービンシュタインに見せたところ「演奏不能」と一刀両断に切り捨てられたという話は有名ですが、この曲もペテルブルク音楽院の教授でヴァイオリニストだったアウアーに見せたところ、「演奏不可能」と初演を拒否されてしまったそうです。結局ライプツィヒ音楽院のロシア人教授でありヴァイオリニストであったブロツキーの独奏で、リヒター指揮ウィーンフィルの演奏で初演されたのは完成から3年もたった1881年12月4日でした。ウィーンフィルのメンバーも指揮者もこの曲を理解できずに初演をおこなったため結果は散々でしたが、ブロツキーは根気良く機会があれば、この曲を取り上げ、次第に評判になっていき、アウアーも取り上げるようになり、弟子のジンバリスト、ハイフェッツ、エルマンなども演奏するようになったため、現在のような名作となったそうです。

私は、この曲を聴く時に、馬鹿馬鹿しいこだわりを持っています。第3楽章のフィナーレ、第1主題の旋律がオケと独奏の共演で盛り上がって行き、最後から2小節目。独奏ヴァイオリンだけが演奏する1拍目の裏と2拍目の頭のE-Aの八分音符が、はっきりと力強く聴こえるか・・・です。
そういう意味で、私が持っている音源で一番なのは、ハイフェッツの独奏、ライナー指揮のシカゴ交響楽団です。

諏訪内晶子チャイコフスキーコンクールでの演奏で第3楽章です。

2010年12月 3日 (金)

今日の音楽 12月3日 ピアノ協奏曲(ガーシュウィン)

モーツァルト、メンデルスゾーン、シューベルトなどもっと長生きして欲しかった、という作曲家は何人もいますが、この人が平均的な寿命まで生きていたら、どんな音楽を作っていたのか?と考えただけでワクワクするのが、ジョージ・ガーシュウィンです。殆ど独学で学んだ音楽理論や管弦楽法を駆使してジャズとクラシック音楽の融合という偉業を成し遂げたガーシュウィンは1937年にわずか38歳でこの世を去りました。その、ガーシュウィンの作曲したわずかな「クラシック音楽のような(笑)タイトルの曲」のひとつ、ピアノ協奏曲ヘ調が初演されたのが192512月3日。カーネギーホールでガーシュウィンのピアノで、彼にこの曲の作曲を依頼したダムロッシュ指揮のニューヨーク交響楽団(現ニューヨーク・フィルハーモニック)の演奏でした。

ジャズ感覚のピアノ協奏曲風作品であるラプソディ・イン・ブルーを書いた実績があるものの、オーケストレーションをグローフェに依頼したため、この曲をひとりで作曲するにあたって初めて音楽理論書を買い、実際にホールを借りてオーケストラに試奏をさせた事もあったそうです。
形式は、古典の協奏曲の形式に則って急-緩-急の3楽章になっていますが、勿論中身はジャズの様式を取り込んだガーシュウィンならではの音楽。特にブルーノートを駆使したブルース調の第2楽章はこれぞアメリカ音楽という感じですね。
そして、最終楽章のフィナーレはガーシュウィン・エンディング(命名オレ)。クレッシェンドしてドン!

終楽章です。

2010年12月 2日 (木)

今日の音楽 12月2日 交響曲第3番(ブラームス)

私は、多くのオケ仲間がそうであるような「ブラームス信奉者」ではありません。別に嫌いでもない。クラシック音楽の一作曲者のひとり、というのが私にとってのブラームスの位置づけです。
4つの交響曲の中で、第4番が最も好きだという事は以前書きましたが、第3番が最も苦手です。が、ある意味では最も完成度が高い曲だと思います。この完成度の高さが苦手な原因のひとつです。だいたい交響曲の中のメヌエットのような舞曲やスケルツォの楽章は、気分的に「ちょっと休憩」という感じで聴けるのですが、この曲はそれが無い。第1楽章の短い序奏の和音が、F-As-Fというこの曲のキーになる音なのですが、非常に重苦しくのしかかって来る。第1主題が、下降音型で圧迫してくる。。というわけでスタートからして「勇壮な曲で、ブラームスの『英雄』」と言われている事に違和感を感じます。
第2楽章はさすがに穏やかなメロディで始まりますが第2主題のくぐもったメロディから突然大音量が立ち上がるところが苦しくて胸がつまりそうだし・・・

と、書いていますが、弾く側にとってはブラームスの中では最も難しく、疲れる曲かもしれません。そういえば、この曲はブラームスの中では唯一弱音で終わる曲ですが、そこで第1楽章の第1主題が回想されます。初めてスコアを買った時にそれを確認しようとして見たら、どう見てもそのメロディが確認されなくて、それでも第1主題が聞こえてくる・・。まるで魔法だと思ったものです。実際は高弦のトレモロ奏法でメロディを作っていたんですけどね。。。で、数多いブラームスのフィナーレの中でこのフィナーレが実は一番好きです。

で、結論としては、もう一度弾きたいブラームスは、この最も苦手な第3番なんです。多分、一番消化できずに演奏しちゃったから・・・かもね。

セル指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団で、第3楽章と第4楽章です。

2010年12月 1日 (水)

今日の音楽 12月1日 管弦楽のための協奏曲

冒頭から低弦が静かにうなりをあげて・・・、というbassistであれば必ず一度はやってみたい(けど、なかなかチャレンジできない)曲が、バルトークの管弦楽のための協奏曲です。アメリカに移住した後健康状態の悪化などで創作意欲を失っていたバルトークを復活させたいという思いから、ライナーなどがクーセヴィツキーに提案して委嘱したのがこの曲でした。初演は1944年12月1日。クーセヴィツキー指揮のボストン交響楽団による演奏でした。

この曲、よく聴くと色々なものが聞こえてきます。第1楽章の途中では、映画「砂の器」の「宿命」の冒頭を彷彿とさせるメロディ。第2楽章の中間部は君が代みたいなコラール。第3楽章は典型的なハンガリーのメロディ。第4楽章はレハールの「メリー・ウィドウ」・・・これは、メリーウィドウの「ダニロの歌」をパロディ化したショスタコーヴィチの交響曲第7番第1楽章をパロったらしい。

この曲の構想の基礎は、いにしえのコンチェルト・グロッソであったり、ブランデンブルグ協奏曲なので、構成自体にカノン、フーガ、コラールなどを使っているので非常にわかり易い曲ですから、単純に楽しむ事も可能、それぞれの楽器の協奏曲的なソロを楽しむのも結構・・・聴き応えはたっぷりですね。

第4楽章、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団です。

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