今日の音楽 12月2日 交響曲第3番(ブラームス)
私は、多くのオケ仲間がそうであるような「ブラームス信奉者」ではありません。別に嫌いでもない。クラシック音楽の一作曲者のひとり、というのが私にとってのブラームスの位置づけです。
4つの交響曲の中で、第4番が最も好きだという事は以前書きましたが、第3番が最も苦手です。が、ある意味では最も完成度が高い曲だと思います。この完成度の高さが苦手な原因のひとつです。だいたい交響曲の中のメヌエットのような舞曲やスケルツォの楽章は、気分的に「ちょっと休憩」という感じで聴けるのですが、この曲はそれが無い。第1楽章の短い序奏の和音が、F-As-Fというこの曲のキーになる音なのですが、非常に重苦しくのしかかって来る。第1主題が、下降音型で圧迫してくる。。というわけでスタートからして「勇壮な曲で、ブラームスの『英雄』」と言われている事に違和感を感じます。
第2楽章はさすがに穏やかなメロディで始まりますが第2主題のくぐもったメロディから突然大音量が立ち上がるところが苦しくて胸がつまりそうだし・・・
と、書いていますが、弾く側にとってはブラームスの中では最も難しく、疲れる曲かもしれません。そういえば、この曲はブラームスの中では唯一弱音で終わる曲ですが、そこで第1楽章の第1主題が回想されます。初めてスコアを買った時にそれを確認しようとして見たら、どう見てもそのメロディが確認されなくて、それでも第1主題が聞こえてくる・・。まるで魔法だと思ったものです。実際は高弦のトレモロ奏法でメロディを作っていたんですけどね。。。で、数多いブラームスのフィナーレの中でこのフィナーレが実は一番好きです。
で、結論としては、もう一度弾きたいブラームスは、この最も苦手な第3番なんです。多分、一番消化できずに演奏しちゃったから・・・かもね。
セル指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団で、第3楽章と第4楽章です。
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