今日の音楽 12月17日 交響曲第7(8)番(シューベルト)
シューベルトという作曲家は、大変に気紛れだったようです。作り始めた作品を途中で放り出す事は日常茶飯事。現在シューベルトが完成させた交響曲は7曲ですが、未完成で残っている曲は6曲もあります。
つまり、シューベルトの未完成交響曲は実の所6曲あるのですが、未完成交響曲といえばこの第7番の事を指します、というか、古今東西の作曲家にも未完成の交響曲はたくさんありますが、それでも未完成交響曲はシューベルトなんですね。
多くの未完成作品は作曲家が完成前に死亡してしまったため、未完成で終わるというのが常識的な話です。未完成作品で有名なものには、モーツァルト「レクイエム」、マーラー「交響曲第10番」、プッチーニ「トゥーランドット」などがありますがいずれも死によって完成されなかったものです。しかし、シューベルトの未完成は1822年(死の6年も前)に作曲されており、更にその後第8番「ザ・グレート」という交響曲を完成させているために遺作ではありません。
それゆえに、何故シューベルトがこの第2楽章で作曲をやめてしまったか、という謎が研究されていますが、1、2楽章が3拍子で、スケルツォも3拍子なので行き詰ってしまった、とか、あまりに2楽章までの出来が良すぎたので、3楽章のスケッチを開始したものの、逆に3楽章が無い方が良いと判断したなど諸説あります。が、本当のところは、シューベルトの癖で、途中で他の事を始めて忘れてしまったのかもしれませんね。シューベルトに未完成の曲が多いのは、シューベルトの交響曲は演奏目的がはっきりしないで書いていたため、締め切りに追われるわけでも無く、必要性に駆られていなかったからだと思います。
この曲はバス弾きにとっては非常にやりがいがあるが、重苦しくのしかかる曲です。
ワルター指揮ニューヨーク・フィルハーモニックで第2楽章後半です。
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