今日の音楽 12月11日 幻想交響曲
演奏会本番で、殆ど緊張しない私としては本番ステージの事故は非常に少ないのですが(音程はずしたのが事故だとすると、毎回数百回の事故はあります( ̄∇ ̄;))、弓を忘れてステージに登場した・・などの物理的な事故を除けば、今まで2回ヤバかった事があります。1回は、いつだったかのカバレリアルスティカーナの間奏曲(この前のFPOBではありません)で全然関係ない所でpizzを弾いた。そしてもうひとつが、幻想交響曲。第5楽章で金管に続いてコントラバスだけで怒りの日のメロディを弾くところ。金管との間にヴァイオリンの主題が挟まるので微妙に間が空くのですが、間違えて2小節早く飛び出した・・・トップだったので他のコンバスメンバーも混乱、危うく崩壊しかけたという苦い思い出があります。が、幻想はやっぱり楽しい曲です。1803年12月11日はベルリオーズの誕生日。幻想交響曲は、後世に影響を与える新しい試みが満載の曲です。
曲自体が、後の交響詩へと発展していく完全なる絶対音楽である事以外に、オーケストレーションの鬼才と言われたベルリオーズは様々な工夫をしています。
①コールアングレの使用
②バスクラリネットの使用
③Esクラリネットの使用
④ファゴット4本採用
⑤コルネットの使用
⑥オフィクレード(現在はチューバで代用)を2本使用
⑦複数奏者によるティンパニ
⑧弦楽器の編成を指定
⑨ハープの複数台使用
⑩鐘の使用
⑪オーボエのバンダ
⑫コル・レーニョ奏法
⑬ティンパニの奏法(マレットの硬さも指定)の指定
ものすごい先進的な曲だという事がわかると思います。
ここからが、本題です。
我々が普通に手にするスコアやパート譜では、コルネットは第1楽章と第4・5楽章に登場し、第2・3楽章はtacetになっていますが、ベルリオーズは1844年の演奏で、第2楽章にコルネットのオブリガードを採用しています。通常は演奏される事が殆ど無かったのですが、近年、この譜面を採用して録音する指揮者が増えているようです。
私の持っている音源は、
ミュンシュ-パリ管
ミュンシュ-ボストン響
ガーディナー-オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
パレー-デトロイト響
ミュンフン-パリ・バスティーユ管
クレンペラー-フィルハーモニア管
ですが、第2楽章にコルネット付きの譜面を使っているのは、ガーディナー、ミュンフン、クレンペラーです。
この中で特にコルネットを目立たせているのがミュンフン版。ミュンフンの場合、第4・5楽章もコルネットが非常に目立ちますね。ミュンフン版を聴けば第2楽章のコルネットがどのように使われているかがはっきりわかります。(クレンペラーのものも結構目立ちますが、後半のメロディを吹くところがあまり目立ってない)
まあ、個人的には第2楽章の舞踏会にはコルネットが無い方がすっきりしていて好きではありますけど・・・
幻想は、演奏の数だけ違いが楽しめるという曲です。100人の指揮者が振れば100通りの幻想を聴く事ができますので、是非色々な指揮者の物を聴く事をお勧めします。それから、パレーの演奏はちょっと違う世界の曲みたいなので、参考に一度聴いてみてください。
ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団で第2楽章です。
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