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2010年11月30日 (火)

今日の音楽 11月30日 交響曲第3番「英雄」

今日は、別にベートーヴェンにゆかりのある日でもないし、エロイカに関係する日でもありません。
1954年11月30日は、20世紀の偉大な指揮者のひとり「振ると面食らう」じゃなくて、「フルトヴェングラー」の命日です。
フルトヴェングラーは、自分自身を作曲家と言っていたようで交響曲なども作曲していたのですが、やっぱり馴染みが薄い、というよりも作曲家として偉大すぎたんでしょうね。
大戦中ずっとドイツに留まっていたなどの理由でナチスに協力したという汚名を着せられ2年間の活動停止を余儀なくされましたが、実際はフルトヴェングラーは、ドイツ・オーストリアでナチスから音楽を守って来た人でした。
1934年にはヒンデミット事件とよばれている、ナチスによる「画家マチス」の初演阻止に断固反対し、ベルリンフィルの監督を辞任させられる事件が起きました。これによってベルリンフィルの技量が大幅にダウンしたためナチスが歩み寄り、再度ベルリンフィルの音楽監督に就任しています。
1936年には、トスカニーニによってニューヨークフィルの次期音楽監督に指名されたものの、ナチスの妨害によって断念
1938年にはドイツがオーストリアを併合。ウィーンフィルの解散を阻止。
1945年、それまでユダヤ人を庇護していたフルトヴェングラーは、ナチスに目をつけられ、スイスに亡命・・・

という具合に、音楽を守るためにナチスに抵抗を続けて来た音楽家でした。

私が最初に買ったフルトヴェングラーのレコードは、ベートーヴェンの交響曲第3番「エロイカ」でした。フルトヴェングラーの最高の名盤といえば、バイロイト祝祭管を振った第九と言う人が多いようですね。私も持っています。ただ、個人的には第九より、エロイカとかベト7のような緻密さより熱さが前面に出せるような曲が、フルトヴェングラーの演奏では好きです。特に、エロイカのウィーンフィル盤を聴いた時には鳥肌が立ちました。結構じっくり聴いてみると、例えば最終楽章のフィナーレなどはティンパニがずれていたり、ホルンも音をかなりはずしていたり・・・なんですが、そんなものは気にならないぐらいの迫力というか音の弾みがあります。
我々、技術だけではちょっと対抗できない下手アマチュアの目指す音楽の方向性みたいなものを感じてしまいます。

決してフルトヴェングラーが緻密で無かったというわけではありません。彼のスコアの深読みは有名ですし、彼の指揮を見ているとオーケストラとの信頼関係が無ければ全く音楽にならない可能性もあるわけですからね。
最近のベートーヴェンのCDなんかは、非常に上手い、緻密な演奏が増えました。それを否定するわけではありませんが、何だか聴いた時は良かったけど残らない物が多いのも事実。
こういう演奏をする指揮者も、いても良いかなと思います。

終楽章の後半です。

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